再会・・・穂高の山並み

4月27日、午後11時のNHKの天気予報・・・
”今週の大型連休前半は全国的に晴れるでしょう・・・”
この言葉を聞いたとたん、いてもたってもいられ無くなった・・・
4月28日午後7時:仕事をテキパキと済まし、家路につき、押し入れに眠っていた70Lのザックをとりだし、シュラフをストレ−ジバックから出し、コンプレッションする。

テント・テントマット・コッフェル・ガス・バ−ナ−・エア-マット・・
着替えに・スッパッツ・アイゼン・ピッケル・・・
35mmカメラ・645中版・三脚・フィルム・・・そして、行動食と食料・・
その他は・・・ウインタ−グロ−ブ・スノ−ショベル・スノ−ペグ、日焼け止めのクリ−ム・リップスティック・・念のために目出し帽・・良し!これでOK!!
ザックに詰め込む、えいやっと持ち上げてみる。重い!!体重計に乗ってみる・・・20kgか・・・何とかなるだろう・・・
行き先は?  お決まりの穂高さっ
午前3時00分、愛車のエンジンに火を入れる窓を全開・これから行くからなっと、高速をひた走り、八幡町・清見村・高山市を駆け抜け、平湯に到着したのは6時ジャスト。あ〜あ眠たい・・無理してるな・・・
かなり無理している自分がすご〜〜く好き?(CMのフレ−ズで)
外は明るく、笠ケ岳の勇姿が気持ちいい。
さっそく、シャトルバスで上高地へ・・・午前7時到着。入山届に行動を記載する。
1泊2日、テント泊
4月28日:初日:上高地−涸沢(予定行動時間:7時間)
4月29日:2日目:涸沢−北穂高山頂−涸沢−上高地(予定行動時間:12時間)
下山予定:4月29日18時
18時・・・最終バスの時間である。乗りおくれればタクシ−しかない、しかも駐車場開門は19時まで・・・タイトな日程である。しかし、何とかなるだろう!!バスタ−ミナルの2階で、水を補給して、休む間もなく、一抹の不安を胸に歩き出す・・・



天候;快晴:雲一つ無く晴れ渡る、気温14度、速足での歩きには少々暑すぎる。フリ−スを脱ぎザックにつるす。通い慣れた道・・・何も考えず黙々と歩く・・・時折聞える鳥の鳴き声・・・春の到来を喜んでいるのだろう。喜ぶのは鳥だけではない。私も嬉しいのである。淡々と歩を進める。ただ、ひたすら涸沢を目指して。途中、明神岳・前穂高が静寂の水面に映し出されている。今年は、歓迎してくれるかな・・・。


静寂の水面に映る明神・前穂
明神−徳澤間にて

歩く事、2時間45分。10時00分、横尾に到着した。ここまでは、予定どうりである。荷物の重さも気にすることもなく・・・

横尾は、これから穂高・槍を目指す登山者たちが集うcross road。誰もが、これから目指す頂を見上げる。

そして山を下りてきた者は、その頂を見上げ、余韻に酔いしれる。

横尾山荘前にて

横尾大橋を渡り、本谷に向け歩き出す・・・・・しかし寝不足のため? 左ふくらはぎと大腿部が妙に重く、痛い。こんな、状態でたどり着くのか・・・足がつりそうだ。屏風の絶壁を左手に見ながら、途中数ヶ所の急登を乗り越え、不安を胸に、一粒のアメを口にし、また歩き続ける。15分歩くとまた休み、歩いてまた休み・・・こんなことを繰り返しながら、本谷橋付近に到着したのが、11時45分。左のアキレス腱が悲鳴を上げそうだ。少し早いが、食事にしよう。足も休めないと・・おにぎりとパンをほお張る。20分の休憩の後、いよいよ涸沢への登りが始まる。

本谷橋から45分。そこからさらに進むと正面に北穂を見上げ、さらに、大きく左に曲がり、急登を乗り越えると前穂の頂が見える・・しかし、まだまだ先は長い。ここから、1時間30分で着けば、まあいいか。まだ、涸沢ヒュッテは見えない。しかし、予定の2時到着までにはまだ時間がある。またゆっくりと歩き出す。そろそろ、肩にズシリと荷物が襲いかかりはじめた・・・身体はさらに前に傾いてしまう。

ゆっくりと・亀のように登り続け、そしてようやく、この先にヒュッテの鯉のぼりが見える・・・あと一時間か・・・雪面にザックを降ろし喘ぐ肩と腰・・・ちょっと歳を感じてしまった・・・
そして、涸沢へ・・・

予定どうり2時ちょうど! 我ながら素晴らしい予定行動!  再会・・・・の瞬間である。待ち合わせたパ−トナ−の方と約束通り2時に巡り合うことがっできた。重いザックをほうりだし、ボ−ゼンとした後、テント設営を開始。疲れた私を見て、氏がテント設営に力を借してくれる。


Colorful Town涸沢村

いつものように、テントを設営。カラフルタウンにたった一夜だけのマイホ−ムを築き上げる。外は暖かくほんの僅かな雲のみ。どうやら、今年は再会を歓迎してくれたようだ・・・

日の暮れ前の白出のコル



テント設営後、今回の目的の一つでもあった、涸沢小屋オリジナルマグカップを手に入れるため、2001年夏に新しく建て替わった、涸沢小屋へと向かう。(小屋は新しく奇麗だが個人的には前の小屋の方が好きだったが・・)小屋の受付で、学生バイト風のおねえさんにマグカップを2つください!と注文。これで、以前に買ったティ-カップ・コ−ヒ−カップ・スプ−ンと5年越しで揃ったわけだ。後は陶器製のコ−スタ−か・・・何時手に入れるのやら?こんなものを買ったら荷物はさらに重くなるのに・・・バカだな〜と思いつつ

午後5時:テントの中で夕食の準備をする。1泊2日のわりには食料を持ってきすぎてしまった。荷物を減らすためには無理やり食べるしかないか。パ−トナ−の方と、テント内で夕食を済ます。あすの行動予定を決定し、パ−トナ−の方も同じように、北穂を目指すとのこと。3時起床・4時行動開始と決まる。今日の夜は満月らしい。月明かりが強すぎて星の写真は撮れないかもしれないな。明日の朝は4時行動開始だし。よく寝とかないと・・・でもやっぱり写真も撮りたいし・・・雲が架からないといいんだけどなどと考えながら、午後7時、就寝に着く。午前1時:シュラフの顔の部分が結露し目が覚める。テント内気温:−7度。結構寒いな・・・外はどんな天気か?換気口から外を覗いてみると雲一つ無い穂高の山並みが月に明るく照らさせている。明るすぎる・・・・これじゃあ星は撮れないだろう。なかなかいい条件には巡り合わないもんだ。フリ−ス・レインウエア-を着込みカメラ・三脚を手に外へ出てみる。50張りのテントの2つ位でライトの明かりが動いているだけ。外には誰もいない。1人で涸沢を独占しているようだ。ちょっとした優越感に浸る。





北穂高に降るオリオン

やはり月が明るすぎるようだ・・・10分間の解放で山は白けてしまう・・・星もこれ以上流せない。これも自然の条件。仕方がない(4月29日:午前2時)



前穂高吊尾根・消え行く月明かり
4月29日午前3時:外気温−8度




穂沢の急登を喘ぎながら登ってゆく
先行するパ−トナ−の方と共に・・

4月29日、午前4時30分。薄明かりの中を予定の30分遅れで出発する。雪は硬くしまっている。踏み跡に足をとられながら、ややあ歩きにくい中をヘッドライトを点け進む。ちょっとした、Vertcal Limitの気分(映画です・・・)



モルゲンロ−トに染まる穂高連峰

絶景かな・・・
Mt. Yarigatake


午前7時30分。予定より30分以上早く、北穂高山頂:3106mに到着。素晴らしい天気である。まさに雲一つ無い・・・ここまで来た甲斐があった!この季節の初めての快晴を経験する。しばし、言葉もなくボ−ゼンと眺める。槍だ・・・素晴らしい・・・



北穂山頂にてパ−トナ−の方と
少し逆光気味に撮ってみました



北穂山頂にて
2年前の写真より、ちょっと太ったんじゃない?

確かにお腹の周りは・・・

二人で素晴らしい景色を満足げに見ながら、北穂小屋の前で槍を見ながら3000mの稜線上で北穂小屋特製のコ−ヒ−を飲みながら至福の時を過ごす。こんな、いい天気に恵まれたのは、雪男・雨男の私には大変珍しいことなのである。パ−トナ−の方の晴男の勢いが勝ったのであろう。感謝・感謝!(^○^)


Snow Step!
北穂高小屋から北穂北陵山頂まで、見事な雪の階段が刻まれている。昨年チェ−ンソ−で雪を刻んでいるのを見たが、まさに達人の技である。これがあるおかげで歩きやすいんですよね!(写真・・・何が何だか判りませんよね??)



松涛岩より滝谷ド−ム方面
いつ見ても迫力のある景色です


北穂高小屋前で
3100mの高所にある北穂小屋は槍ケ岳の大天望に恵まれる。優しいスタッフの手によって支えられ、何時も安らぎを与えてくれる。



軌跡
北アルプス上空に消え行く飛行機雲
剱の上空?まで飛んでいるんだろうか?



山頂から下山後、ほっとひと息つきながら涸沢カ−ルを見収める
空が碧い・・・・

いい天気だな〜もう2〜3日いたんだけど・・・と名残を惜しみながら
この後は、テントの撤収に取り掛かる。テキパキやったつもりが1時間もかかってしまった・・・こんなのんきなことをしてたらバスの時間に間に合わなくなったりして!荷物をコンパクトにまとめたいところだが、いい加減に詰め込みすぎて、入らなくなってしまった!そうかそうか、涸沢小屋で買ったマグカップが余分なんだ!きっちり箱に入ったままだし・・箱から出しとけばよかった!(時すでに遅し!)


この後は、涸沢を後にしてひたすら下山・・・と行きたいところだが、雪が腐っていてズルズルとツンのめりながら、そして、ドテッ・ズサササッ−−とこけてしまう(トホホ・・・)結構疲れてきているんだな〜!時々名残惜しく、山頂を振り返り、遠ざかってゆく、穂高連峰に別れを告げる。See you again, next season? まあ、予定どうりに行けば絶対バスに乗り遅れることもないし、まあゆっくり行こうと思いながら、ついつい気がせいてしまう。いつもより、足にきているため、右にふ〜らふら、左にふ〜らふらとよろめきながら。何とかかんとか、横尾に到着したのは下山開始後ちょうど2時間後の1時30分でした。ここで、大休止がてら食事を済まし、後はひたすら上高地まで3時間の歩け歩け運動の開始である。上高地に到着したのが5時くらいだった。余裕余裕!でバスに間に合った。いつもは、河童橋周辺は人込みで大盛況なため、早々と通り過ぎてしまうのですが、時間も5時と遅めのため、観光客はほとんどいない!
”こんな、静かな上高地は初めてだ-・・・”
と感動し、もう少し時間があるな〜と、梓川横のベンチでどっぷり休憩してしまう。



静かなる上高地・河童橋にて
斜陽のおかげで、まるで紅葉シ−ズンのように黄金色に黄昏ていました
観光客はまばらで、いつも喧騒の河童橋とは一味違っていました。



今日あの頂上にいたんだ〜と今さらながら感慨にふけってしまいます。
(実際には北穂は見えないですが・・・)
やればできるもんだな〜〜また、やってみようかな〜と、どんどん深みにはまってゆく私・・・


上高地からバスに乗り、1時間後には平湯に到着。その後、平湯温泉ゆ−ゆ−館でのんきに温泉に浸かり、休憩。気が抜けて、睡魔が襲ってくるが、まだまだ、自宅までは遠い道のり・・7時00分ごろに平湯を出発し、自宅に着いたのは11時30分。パ−トナ−の方と岐阜市内で別れ、彼はさらに滋賀県の自宅へ・・タイトな日程の山行きだったけど、最高の天気に恵まれて幸せな気分・・・
これで、明日からの仕事に意欲を燃やすことができる・・・


またいつか
(今年の夏行ってたりして??)



無事に割れずにザックから出てきました
涸沢小屋オリジナルマグです!
帰りの方が荷物が多く・重かったような・・・

1泊2日神風登山・北穂の山旅はこれにて終了


PS.元気です!