2003.5.3-4:GW槍ケ岳山行き記録

メンバー2名

上高地ー槍沢経由往復

2003年GWは山スキーツアーにするか否か、迷った揚げ句、槍沢経由槍ケ岳登頂という予定になった。

長期予報では GW期間中はいずれも晴れのようである。2泊3日の計画であったが、仕事の方も気になる。とりあえず3時間おきに連絡をすることとして、出発。いつものように、深夜自宅を出発し、平湯に5時到着予定である。しかし、問題が発覚!例の白装束軍団が通過予定である”せせらぎ街道”に留まっているという・・・これはまずい!あの、くるくるマークの連中に行く手を阻まれてはかなわん・・・急遽、高速を清見まで走ることとして、高山経由、平湯着とした。順調に車を走られていたが、またもや問題が生じる!!国道158号線高山ー丹生川村境付近でなんと!!!何と・・オービスを光らせてしまったのである!! 約○○kmオーバーで突っ込んだ! 直前に何やら怪しい赤の赤外線光がちかっ!としているのを目視し、Wooo---オービスだーこんなとこにあったー?とあわててサンバイザーを下ろした、まさにその直後ビカッ−ーーと閃光を発したのだー。 真っ青である。 意気消沈である。もうやめたいなー。帰りたいなーなどと頭は混乱状態。 この歳でスピード違反、しかもオービスで免停? もうやめたいよほんと・・・トホホホ・・・と言う有り様である。
眠たくてボッ−としてたからなー。いつもならこんなにスピード出してないのに・・・しかしサンバイザー下ろしたから、閃光は目に入らなかったが、周りが赤く染まっていたよなー、噂どうりの光だった。
直接目に入っていないということは、少なくとも顔全体、特に目は写されてないと思うけど・・・証拠不十分になるのかなー、不安だー・・・

などととんでもないハプニングで始まった最低なシーズンなのである。今更帰れないし、このことはしばし忘れさせてもらおう。

オービスのことはとりあえず下山までは無理やり頭の中から消しておくしかない。
いつもより足取りは重い・・・
上高地出発7:05、7:48明神、8:45徳澤、9:50横尾に到着。約2時間45分の道のりであった。
しかし今年は雪が多いと思っていたが、途中はほとんど雪はなく、ほぼ夏道どうりである。こんなはずではなかったが・・・4月下旬の夏のような暑さと、雨のため雪解けが早待ってしまったようである。
しかし、横尾では例年どうりこいのぼりが元気に泳いでいる。天気は至極良好である。

横尾山荘前広場にて10:06

いつもなら、涸沢に向けて歩いてゆくのだが、今年は槍だ。左には折れず真っ直ぐ槍沢に向けて歩き出す。
本日の目的地;殺生ヒュッテ幕営地までは約10km。長い道のりである。ただひたすら長い忍耐の道である。
途中で挫折しなければいいけど、等々考えながら、槍沢ロッジに到着。
12:00ジャストであった。軽く昼食をとり30分後再び歩行開始。さあ、これからがダラダラ長い長い登りである。

13:30赤岩沢キャンプ地

ここから前方に大曲が見える。まずはあそこまで・・・

大曲を1:30に通過。更に斜度は増し、グリーンバンドに向けて歩き出す。まだ槍の穂先は見えていない。
さあ、だんだん苦しくなってきた。肩に荷物が襲いかかってきた・・・・頑張るのみである。
はるか頭上にちょこっとグリーンバンドが見えてくる。

ぐんぐん高度を上げ沢を振り返る。結構高度があるなー・・・グリーンバンド手前にて

もうちょっとでグリーンバンドここが我慢のしどころだ。
50歩 歩いて深呼吸・50歩 歩いて深呼吸のリズムを繰り返した。
前を行く者をどんどん追い上げ向き去ってゆく・・・結構快調である・・・・15:33

グリーンバンドにはい上がると、ようやく槍の穂先が見える。
ちょっとザックを降ろして記念撮影。(もうせでに何度も休みまくっていたんですが・・・)
顔は笑ってはいるが、肩は喘いでいます・・・15:55

更に穂先に近づく。上空を飛ぶジェットの機影が美しい・・・15:59

そしてようやく本日の目的地:殺生ヒュッテ幕営地に到着。
同伴の方を小屋の中で待つ。17:03

もう暮れゆく時間・・・稜線の向こうに日が沈んでゆく・・・・17:06

前日は全く寝ずにやって来たため、とにかく眠たい・・・
小屋までの最後の登りは10歩 歩いて5秒寝て・10歩 歩いて5秒寝て・・・・・ピッケルを雪面にさしたまま、本当に立ったまま寝ていたようである・・・途中かなりの空白時間が合った・・・相当お疲れ状態だった。
槍の肩まで上がるのは今日のコンディションでは不可能だろうなー。まだまだ鍛えかたが足りないし、やはり早く寝たい一心である。この後テントを設営し、夕食が19時頃、その後すぐに寝てしまった。星が出ていたのかどうかも全くわからずじまいである。

こんなに早く寝てしまったことは珍しい・・・いつもは夜中に星の撮影を試みるのだが・・・・とにかく眠たかった。不眠症の私がこんなに熟睡出来たのだから・・・山のお陰である。山まで寝に来ているのかも知れない・・・そんなふうに思えてしまう。お休みなさい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Zooooooo・・・・・

しかし、夜中に突然目が覚めパートナーの方に、もう5時過ぎてますよ・・・出発しないと・・・・と騒いで起こしてしまった。かれは、まだ12時だけど・・・・と言う。ハテ?よく時計を見ると5月4日を見て5時だと錯覚したようである。ワタシャホントに早朝覚醒病だなーーーとあきれてしまう。そしてまた寝てしまった。(今年は温かいからなー、よく眠れるわけだー。しかもシュラフはダウン800g!!こんなもの必要ある訳ないでしょ!厚くて半分シュラフからはみ出していた。 寒がりか私は!)この後はホントに熟睡してしまった。

5:00起床

おはようございます!
本当に朝が来ました。山やとしては起きるのが遅すぎます。既に5時ちょうどです!
テント内はほとんど結露しておらず、暖かい夜だったわけです。

槍はもう明るくなってしまっています!
あまり奇麗な焼け方ではありませんが、一応こんな感じです・・・5:12

富士山もおはようさんです!
やはりどこから見ても円錐形なんだなー・・・

さあ、槍に向けて登ろう。
西鎌尾根直下の斜面をトラバースするように斜上し、肩にはい上がる。ここな全くトレースが無くアイゼンがガシガシ食い込み気持ちがいい!しかし振り返ったらかなりの傾斜でちょっとびびってしまった。50°くらいあった?そして槍の肩から穂先目指してずんずん登る。雪は全く着いておらず、夏と同じルートである。途中:小槍をのぞき見る。6:14

そして穂先に立つ。6:30

360°の大展望である。穂高連邦が美しい・・・

槍から穂高への稜線。大喰・中岳・南岳・・・・

槍ケ岳山頂にて・・・穂高をバックに記念撮影・・・7:09

山頂より、槍岳山荘と笠ケ岳

北鎌尾根・・・槍へのバリエーションルートである。独標が立ちはだかっており尾根は急峻かつ登下降が厳しそうである。

槍岳山荘前で朝食をとる・・・8:30
山荘は昨年建て替えれたようだが、昔の方が風格があってよかった・・・
何となくプレハブっぽくてあまり好きにはなれない
しかし、槍沢を登ってくるものの多くはスキースノーボードを担いでいる。確かに、槍沢・飛騨沢を見ると広大な中斜面が拡がり、まさに、スキーにはうってつけである。ここを滑ったらさぞかし気持ちいいことだろう。スキーを持ってなくて少し後悔してしまう・・・

下山後、槍岳山荘の裏手の稜線上から小槍の逆層を登坂するクライマーを見物・・・・7:45

さあこの後は殺生ヒュッテまで下山しテント撤収、荷物をまとめて一気に下山である。槍に1泊2日で来れるとは思っていなかったが、出来るもんなんだ! 最近は仕事の関係で時間がないため、出来るだけ速攻登山を心がけているが、山スキーを始めたのもその目的の一つである。スキーでの下山は極めて効率的であり、時間を節約できる。後は、シール歩行をマスターしなければ・・・

さあ、テント撤収も終わり、いよいよ下山である。当初は2泊予定であったが、上高地最終バスまでに時間は十分にありあえて2泊する必要はない!一気に降りようと決定。

下りは早い早い!!登りに4時間掛かったところを1時間で降りてしまうのだから、なんともあっけないものである。

下山途中は雪が緩み、昨日よりも確実にデブリがひどくなっている。自然の創りだす環境はすさまじいものだると改めて感心。・・・10:21

この後は、槍沢ロッジで昼食をとり、大休止の後、下山開始。

槍見河原にて・・・槍ケ岳を望める最後の場所である。はるか遠くに穂先だけがホントにちょこんと見えている。これで槍ともお別れだ・・・またいつか・・・12:48

そして、横尾に戻ってきた・・・13:32

この後は上高地まで約3時間の歩行。5時前には何とかバスターミナルに到着した。これで今年のGWは終了である。歩行は厳しいアルバイトとなったが、また一つステップアップできたような気がする。なかなか、山に登る時間も制約はあるが、時間は自分で作りだすものである。ウダウダしている時間は毎日あるはず・・・この時間を寄せ集めればきっとこれからも山に入ることは出来るはずだから・・・仕事で忙しいから・・・と言う言い分けはしたくない。

これからも素晴らしい自然の懐に飛び込みたいと願う毎日である。