メンバー:2名 1年待った、この9月の残暑の頃・・・今回、天候は台風14号もかろうじてそれ、何とか回復の見込みである。この隙を逃さない手は無い。我々は再び穂高縦走を目指した。今年こそ・・・ |
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2003/9/14(日)7:15AM 新穂高駐車場を出発する。 さらに、道なりに林道を進んでゆく・・・ 一時間程度だろうか・・ようやく槍と穂高への分岐点・白出小屋に出会う。 後は樹林帯の登山道を進むのみ。ここからが山道らしくなる |
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どんどんと林道を進み白出小屋まで進む。ここで小休止。ここから樹林帯の登山道となる。1時間ほど歩くと樹林帯の急登を抜け岩切道のあるガレ沢に出会う。 この後、写真左の岩切道を登ってゆく。多少濡れているせいか滑りやすい・・・スリップに注意が必要であった。素手で触る岩はひんやり冷たく、この道の厳しくもの寂しさを表現しているかのようである。比較的ゆックりと慎重に進むこととする。どんどん登り荷継小屋跡・荷継沢を左に過ごし、白出沢をつめる。9月中旬ともなるとさすがに雪渓は残っていない。昨年はここでかなり怖い思いをしたが今年は岩の上を跳ねる様に登ってゆく。どんどんと登ること4時間でようやく穂高岳山荘の建つ白出のコルに到着だ。 |
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岩切道の取り付きへ丸木橋?角木橋?を渡る。落ちないように気を付けてッと |
白出のコル中間部より見下ろし。ひたすら岩礫のザクザク道である。しかし個人的には嫌いな道ではない |
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白出のコルを見上げる。かろうじて、小屋の赤い屋根が見える。 まだまだ遠いように見えるが・・・・あと1時間も登れば着くだろうと、のんきに構える |
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涸沢岳中腹より白出のコルと奥穂高岳 本日はここまでで行動予定は終了である。天候はまずまずだが時々ガスが沸き上がり視界を狭めてしまう。ぼやーっとして時間をやり過ごすがまだまだ時間は余っている・・・ちょいと足を伸ばして頭上の涸沢岳に向ってみる。山頂まではほんの20分弱だが、ここでもガスがひどく視界はほとんど得られない。しょうがないので、下山し小屋に宿泊の申し込みをすることとした。 |
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白出のコルより前穂高 |
涸沢カールを見下ろす。本日テントは少ない。 |
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ガス巻く稜線・・北穂側からの縦走者 |
ガスに覆われた涸沢岳山頂にてブロッケン現象が見られたが写真にはうまく写っていなかった(T。T) |
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日付けは変わって、2003/9/15(月)未明です 暗闇の中、山荘を出発し鎖場・梯子場を抜け、奥穂高へ向います。まだ時間は午前4時過ぎ。この時間帯の3000m稜線の風は冷たい・・・足下に注意し、慎重に進む。奥穂高までは何度も往復しており、特に道に迷うことなく順調に進み4時45分に山頂に到着である。 |
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出発時の午前4時の穂高岳山荘 |
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日付は変わって15日未明;午前4時45分 40分で奥穂高山頂に到着。うっすらと夜明けが始まる。今日は最高の天気になりそうな予感である。 |
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明けの前衛峰(ジャンダルム) ジャンダルムの手前で夜明けを迎える赤く焼けたジャンの岩峰が印象的であった。暗いうちに出発した甲斐があったというものだ!!手前に出来た影はロバの耳の影だ!左のコブ尾根の頭には、ジャンの頂上で写真をとっていた方が単独でテントを張っていた。 |
岐阜県側からのジャンを見上げたところ右寄りの尖りがジャンです。 奥穂高より見たジャン |
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ジャンダルムで完全い夜明である。ここより360°の大展望を満喫する。 槍ケ岳・北穂高・涸沢岳・奥穂高岐阜県側岩壁の大展望である。 少しガスがかかりすっきりとした透明感はないが、夏の明け方・・・と言った感じである。この好天に感謝感激だ〜 しかし、一旦ジャンダルムに登ってみると・・・そこはただの岩の頂上であり、何だか拍子抜け・・・である。槍ケ岳山頂の方が高度感があるかもしれない。 |
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ジャンダルムからは下ってまた下って・・・どんどん下って天狗のコルへの急下降だ。標高差200mくらいだろうか。岩礫の間を縫うようにして道がつけられている。誰がどのようにしてこの道をつけていったのだろうか。先人達の努力とこの道を維持保守してくれている山関係の方に感謝せざるを得ない・・・次から次へと、短いが垂直に近い岩壁の登下降が繰り返される。両手両足を駆使して登れるため、中途半端な斜面を登るよりも疲労度は少なく身体は安定する。もちろん今回は山小屋泊なので荷物は10kg程度の最軽量であるが・・・ 核心部の一つでもある天狗の頭前後の岩壁を行く |
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ジャンダルムからの下りで・・・ 鎖付きのルンゼを下降してゆく。基本的には鎖はなくても足場や手がかりは多い・・・砂礫・岩礫が多くなっておりスリップに注意が必要な箇所だ |
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天狗のコルの避難小屋(石室)跡にて大休止。 穂高岳山荘で作ってもらったお弁当(朴葉で包んだアナゴ寿司風おにぎり??)何だか不思議な風体だったが結構美味しかった・・・) |
天狗のコルより岳沢へのエスケープルート |
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天狗のコルの指導標・・・思っていたよりしっかりと道や指導標が整備されており一般道と遜色が無い・・・それだけ登山者が増えて安全性を求められてきているのだろうか・・・恐らくかつてはもっと困難であった道に違いない |
天狗のコルからいきなり垂直壁を登ることとなる。手足を駆使しずんずん登る!登りはいいが逆ルートの下りは足下が見えないため危険度が増すだろう。いわゆる、核心部の一つだ。 |
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天狗岳山頂にて ここがほぼ中間点である。背後にはジャンダルムがそびえる。眺めは最も良いだろう。 |
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天狗ノ頭より西穂高を望む |
これは???逆層のスラブを下りきった小コルから、進行方向(西穂方向)を見たところだったか?? |
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天狗岳からの下り ”逆層のスラブ” ガイドブックで見ると、オーバーハングしたように見えるが、傾斜角25°程度の板状の岩がスレート状に重なり下りには少し気を使うが、思ったほどではなかった。 |
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間ノ岳より西穂高をみる 尖った頂が西穂・その手前のやや丸みをを帯びた頂がP1と記された岩峰です。 |
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西穂高の手前:P1にて ジャンダルム・奥穂高岳を背景に |
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一方の西穂高岳山頂はあふれんばかりの人たちでにぎわっている! 足の踏み場もないような感じである。 あそこには永居は無用だろう・・・賑わしすぎて疲れそうだ。通過通過・・・ |
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P1と岩にかかれた小岩峰上(赤石岳?)にて この縦走はここで実質的には終了である。最後にもう一度今日の全行程を見納める。充実した岩陵縦走の一日であった。これぞ穂高連峰の縦走の醍醐味である。我々を追い越していった20歳前後の学生風の2人組は槍からの完全縦走を遂行し痛く感激していた・・・日本国内じゃあなかなか味わえないよ、こんな光景は・・・次から次へと現れる岩陵群はまさに大迫力の連続である。一つづつ乗り越しまた下り・・・しかし、思っていたよりもコースはわかりやすく、危険個所も慎重に通過すればガイドブックに書かれたほどの危険度は感じなかった。ただし1回だけコース撮りを誤り、10メートルほど正規ルートを外れたとき、戻ろうとしたその瞬間・・・足下の岩がズルズルと崩れ落ち、乾いた落石音を谷間に響かせていた・・・さらに、自分の左足の上に20cm四方の石が3つほど重なるように落ちてきて、さらに目の前の50cm大の石がズルズル・・・と動いたときにはこのまま一緒に滑落かーーーとびびりまくってしまった。何とか、そろーーーりと岩を落とさないように押し付けてその場を立ち去った・・・・おおっーー怖っーーこの場面は本当にやばかったのだ!!一つ間違えば・・・(^。^;) |
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西穂独標より・・・名残を惜しむかのように振り返る。穂高の峰々ともしばしお別れである。今度は初冠雪の頃にお会いしたいものである! |
ちなみに今回のルートを笠ケ岳山頂から見るとこんな感じの高度差となる。 左から北穂高岳・涸沢岳・奥穂高岳・ジャンダルム・急下降して天狗岳・間ノ岳・西穂高岳と連なっており、天狗岳・間ノ岳・西穂高岳はほぼ2900mちょっとの標高差で並んでおり、北穂高岳・涸沢岳・奥穂高岳・ジャンダルムとは様相が異なっている。天狗岳・間ノ岳・西穂高岳は山頂と言うよりも、岩峰と読んだほうが良いかもしれない。小さなピークである。 |
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こうして初めての奥穂-西穂岩陵縦走を終えた。当初はからり困難で危険な状況を想像していたが、今回のルート(奥穂から西穂への縦走)に限れば、比較的安心して歩くことが出来ると思う。この逆の西穂から奥穂・・・となると登り主体となり、困難箇所が下りルートとなるので、もうワンランク困難度が増すと思われる。いずれにしても慌てず余裕のある日程で望めば少し岩歩きの経験があれば、何とか走破できると思う。このルート・・・またいづれ、望んでみたいと思わせる素晴らしい岩陵歩行コースであった。今度は、ビバークして途中で夜明けを迎える行程でも楽しめそうだ・・・ | ||