2004/7/25(日):
南ア第2弾:そんなに甘くはないよ・・・聖岳3012m:最南の3000m峰


便ケ島森林公園;聖光小屋前:7時05分出発ー営林署小屋通過7時40分ー尾根樹林帯中間部9時08分ー聖平着10時18分ー小聖岳通過11時03分、前聖山頂11時55分。下山開始12時15分ー聖平分岐1時05分ー聖平小屋12時50分着;13時10分聖平小屋発ー聖平分岐発13時25分ー苔平通過14時58分ー17時10分便ケ島聖光小屋着。
メンバー:単独、日帰り、ピークハント
行動時間:10時間05分(登り休息込み約5時間00分)山頂到達12時(下り休息込み約4時間00分)
累積高低差:2000m
2004年7月24日土曜日仕事が終わって(この日は少しは止めに引き上げさせていただきましたが・・・)から本屋さんに立ち寄りおもむろに南ア:荒川三山の地図を購入。この時点ではまだ聖岳に登ろうとは思っておらず、天気予報では山はあまりいい天気ではなさそう・・・特に北ア方面は雨が予想されたため、太平洋岸に近いほうがいいかなーと漠然に考えて購入したのだ。帰ってきてぺらぺらと地図を見て日帰り可能な範囲をチェック。登山口も比較的近い場所となると易老渡から易老岳や聖岳、頑張って光岳位か・・・それ以上はかなり距離も遠いか、登山口が静岡県側か山梨県側となり時間がかかる。そのなかでの今回のターゲットは”本邦最南端の3000m峰”というフレーズにつられて聖岳となった
2004年7月25日。先週の南ア北部:北岳に続き、今回は南ア南部に位置し本邦最南端にある3000m峰である聖岳3013mを目指した。何せ前日に地図を購入しざっと目を通しただけなので登山道へのアプローチや周辺の状況、コースタイムなど本当に日帰りできるのか?わからない状況であった。地図上では聖岳山頂まで12時間近くのタイムスケジュールとなっているが、そんなにはかからないでしょう・・・よほど険しい岩稜でもないし・・・まあペースアップしてゆけば大丈夫でしょうとアバウトな感じで登り始めることとする。

日本チロルと呼ばれる、南信濃村にある上村(かみむら)から、さらに奥深くに進むと易老渡(いろうど)がありここは光岳や易老岳の登山口がある。そこから更に奥に進むとすぐに便が島(たよりがしま)森林公園にある聖光小屋の前が聖岳の登山口になります。 この登山口から整備された階段斜面を登ると旧軌道跡と思われる、遊歩道とトンネルがあります。ここを2.5km程歩くと西沢渡に出合います。水の量が少なければそのまま石の上を飛び跳ねて徒渉できます。ここには荷物渡し篭(今年新しく付け替えらえたようです)があり水量が多ければこれに乗って渡りましょう。古いのが少し上流にありました)登りは水量が少なかったので、川を徒渉しましたが帰りは雨の影響で、増水しておりこれを使いましたが、引き寄せるのに結構重くて時間がかかりヘロヘロになってしまいます。渡れるときは徒渉しましょう。その方が楽で速いです!!(^_^) ここを渡るとすぐに樹林帯が始まりしばらく行くと営林署の小屋らしき廃屋があり、この脇を抜けると急登が始まります。地図上コースタイム5時間30分と記載されているがそこまではかかんないでしょう!ただ黙々と登る。ひたすら登る。苦しくても登る。・・・そして3時間05分で聖平に到着しました。この間はただ気の間をくぐるように抜け、展望は全く開けませんでした。ガスが多いこともあって空からの光も少なく鬱蒼とした雰囲気に拍車かかっていました。聖平10時10分なので、何とか予定通り山頂着は12時に可能と思われる?ここでの道標に山頂まで2時間10分と記載されているが、目標は1時間30分で、山頂到着は12時ジャストに設定。さあ、更に登りましょうか!(上:急登の樹林帯がやく標高差1300mにわたって続く。下:聖平:ここには意外と多くの登山者ががいたのにはびっくりだ、ちょうど山頂から下りてきて格好の休息場所のようだ)


小聖岳(三角点があります2662m)
ここから更に400mほどの登りです。ようやく3000mの稜線・・という雰囲気になるのですがガレ・ザレがおおくスリップしやすいです。スリップすると倍くらい疲れますので一歩一歩慎重に!!天気が良ければ最高なのですが本日は残念です。展望はわずかでした。

聖岳山頂3013mにて・・なかなか大変な登りでしたさすがは3000m峰です。この間の標高差2000mだけのことはありました。いつものように顔は笑っているがヘロヘロです。今回荷物はカメラ3台(デジ・35mm・中版)と水3リットルその他で12kg位です。最近テン泊縦走してないのでこれ以上重い荷物は担ぎ上げられないと思います。やはりそれなりのトレーニングは必要です。
奥聖岳2978.3m方向を望む・・・天気が悪くほんの一瞬見え隠れ!その他赤石岳や上河内岳などの周辺のピークはほとんど顔を出しませんでした。
残念ですがしょうがないですね

(上)小聖2600mの道標。聖平の標高が2300m強だから山頂まであと700mである。通常の登りなら2時間だが、トップギアーで一気に登りきらないと目標は達成できない。さあ行きますよっと一気に登りきろうとするが2800mからのザレガレの急登は足に来ており、息も絶え絶えであるペースは一向に上がらないが、それでも歯を食いしばる!小聖岳2600mで休息していた若者とほぼ同時に出発しこの後山頂までペースを同じくして登る。彼もなかなかペースが上がらないようだ。わずかに距離はあるものの二人とも息も絶え絶えなのが伝わってくるようだ。彼は上河内岳から縦走してきて本日は聖平小屋前でテン泊だそうだ。山頂方向にはまだ登っている人、これから下山する人などまだ多くの人がいる。 そして、12時ジャスト山頂に到達である。山頂での道標の前で記念の一枚!(上)下:天気は悪くガスが絶えない。かろうじて赤石岳と思われる雄姿を望む。山頂でこの日始めて食事をする。とはいっても、コンビニおにぎり一個とソーセージ、ゼリードリンクのみだったが。さあ、15分経過した。一気に下りなければ!一緒に登ってきた若者と記念写真交換した後、日帰りなのでお先に降りますと簡単な挨拶を交わし下山にかかる。途中からずっと雷の音が遠くに響きいやな雰囲気だ。あと30分はもたないだろう。必ず雷雨になるはずだ。聖平まで60分の目標だ。・・・・と下山を開始したのだが、途中からおなかが何となく・・・(そう!大を催してきたのだ。どうしようかな?途中でキジ撃ちしちまうか! いやいやこのガレ場ではかなり遠くからみえてしまうな〜。しかも、中高年の登山者:山頂で野グソの最中に落雷に打たれ死亡とかの新聞ざたになるのもいやだ!!)しょうがない絶えに絶えて小屋まで降りてそこで快感を味わうか(なんの快感じゃ〜〜) (上):山頂より奥聖岳。(下)下山路途中から見た聖平小屋。下山途中で雷雨が始まりカッパを着込むが、肛門に力を込めているためうまくパンツがはけないし頭の上では雷鳴が響くわで、結局びしょぬれ状態だ。それでも何とかカッパを着込み必死に耐えて降りる。それこそ前にいる下山者を片っ端から追い抜き自分出も信じられないスピードでの下山だ。ここまで来てキジ撃ちはいやだ!必ずや小屋のトイレで・・・なんのこっちゃ。小屋着1時15分(雨の中で標高差800mを約1時間である)・・・速い、自分で言うのもなんだが・・・小屋のトイレは更に小屋から離れたところにありそこに辿り着くのがどんなに長かったことか・・・奇麗に新築されたと思われるトイレに入り一気に・・・・(トイレの中には電気などはなく真っ暗なので扉をおもきり開けたままで用を済ました私はやっぱり変だ!!)


それども下山の途中で写真を撮りながら走っておりていたのだ・・・自分で考えても・・・自分が怖いっ・・・

用をたした後、聖平小屋で安堵の表情で記念写真。(快感・恍惚の表情のおわかりでしょうか?)

おまけでバッチも買ってしまった!!小屋のバイトらしき若いお兄さんに5時までには降りれるか?と訪ねたところ健脚なら降りれるけど暗くならない内にね・・・と心配されてしまったが登りが3時間だからどう考えても3時間以上かからないだろうから現在1時44分小屋から聖平まで標高差約100mの登りを入れても余裕とみた!

その後雨も何とか上がり、聖平小屋から聖平分岐点に戻る途中の振り返りの景色。雨上がりの緑が生えて素晴らしい景色であった。2時22分に聖平に戻り、ここでしばらく感慨にふけり、周囲の写真を撮りしばし休息。カッパも脱ぎ、膝に下山用サポーターを巻きいざ出発。

〜下山です〜

さて聖平小屋で用をたした後は、気分もすっきり。(もおいいっ〜〜つーの)後は時間どうりにケガをしないように下山するのみである。今回はダブルストックと膝サポーターも持参しているため、これをしっかり巻いて行きましょう。先週の北岳の後の大腿部筋痛の教訓からだ。やはり、下りでもダブルストックとサポーターはは効果てきめん。無いと、こける状況でも、何とかバランスよく歩を進められる。若い人はこんなものは必要ないだろうが、やはりケガはいやだし、膝が故障したら元も子も無いからね。しかし、一回だけ木の根につまずいてスリップし見事転倒。ザックが衝撃を吸収してくれた。幸いカメラ類は全て首に掛け体の前にぶら下がっている(いつものスタイルです。とっさの撮影ばっかりなもので・・・じっくり三脚立てる撮影はあまり行なわない)。よくザックにカメラを入れていて転倒した際に背中にカメラが当たり脊髄損傷になった話を聞いたことがあるが、やはりどんな状況であれ山での転倒・スリップはそれ相応の危険をともなうものである。転倒防止策としてのストックは出来るだけ使おうと思っている。格好ばっかりも構ってられないし。・・・などと考え樹林帯をひたすら下る。ドンドン下る。時には滑るように・・・・・・・登りはひたすら頭を空白にしているため時間の進むのが早く感じるが、下りは本当に長く感じてしまう。早くおりたいばっかりに気がはやってしまい、その結果不注意にも転倒してしまうのだろう。特に疲れて足が上がらなくなると、何度かつまずいてしまう様になるのでこの時は要注意だ。しっかりと休んで筋肉の回復を促しましょう。次回からはワコールCWX(タイツ型サポーター使用してみたいと思っている。)

聖平から休息込みで約3時間の所要時間であった。結構長い樹林帯の登りだったんだ・・・標高2200m位まではずっと樹林帯だったもんな・・・この辺は北アルプスと違い玄人好みの南アと呼ばれるゆえんだ。確かに、北アに比べて登山者は圧倒的に少なく、静かだ。それなりの体力をもったものが多くたいした渋滞も起きそうにない。ただ岩稜を縦走すると言ったスタイルは少なくなるであろう。ただし、今月のヤマケイ・岳人で南アが大きく採り上げられているので、今後の入山者は増えるんだろうな〜(私もその口なのだが!!)

今回は天気が悪く南アの光景が拝めなかったため、次回晴天下でのピークハントを狙ってみたい。