2004/8/2(日):
勢い余って・・・チトやり過ぎたか?  
蝶ケ岳ー常念岳日帰り縦走記録、名付けて:頂上(蝶ー常)トライアングル


メンバー:単独、日帰り縦走、2座登頂
行動時間:13時間10分(写真撮影・休息合計2時間)
累積高低差:2225m
最高到達高度:2857m常念岳山頂、セカンドピーク2677m蝶ケ岳山頂

三股ー蝶ケ岳ヒュッテー蝶ケ岳山頂ー蝶槍ー最低鞍部ー2512ピークー常念山頂ー前常念ー三股ー駐車場

2004年8月1日土曜日テレビで日本VSヨルダンのサッカーアジアカップを見ていた・・・もうだめか・・・と思った矢先の劇的なPK戦。奇跡が存在する・・・と言った印象の試合に感動した。試合を観ていた皆さまのも同じ感動をもったと思います。”奇跡”あまりの感動ゆえ、勢い余って、昨年来、チョット無理かな〜と思っていた蝶が岳ー常念岳縦走・・つまり頂上(蝶常)トライアングル縦走日帰り制覇にチャレンジを試みた。サッカーの試合が終わるやいなや、クルマに荷物を詰め込みいざ出撃。(いつもどおりの13kgのザック・・・日帰りなのに重すぎるって!)土曜日夜11時サッカー終了とともに出発。途中高速道SAで1時間の仮眠(危うく寝過ごすほど熟睡してしまった)再度クルマを走らせ、深夜3時30分に長野県堀金村の三股登山口に到着。この日は月明かりがまぶしいくらいで、ヘッデンをつけなくても登れそうなくらいだ。準備完了後、4時10分まだ明けきらぬ夜の登山道へいざ出撃。


う〜〜んこの地図 ○文社の地図だなー著作権・・・××だー

この三角の縦走路はごく一般的だが、通常は1泊2日のコースなんですが・・・今回のコースタイムは地図上では休息無しで14時間10分(これは下山後に計算したものでトライ前は単純に水平移動距離だけで計算してしまった)・・・マジヤバである。果たして日帰りできるのかな〜と不安がよぎります・・・過去最高の剱日帰りですら標高差は2200m、行動時間12時間であったんだが・・・

心配された台風は長野県中部には影響がなく読みどうりいい天気になりそうな予感である。まだ明けきらぬ、深夜4時。月明かりのおかげで暗やみ・・・というほどでもないが、樹林帯に突入するのはいささか不安である。特に今年は異常気象のせいで熊が里までおりてくることが多く、熊との遭遇なんてのもいやである。この辺には熊は少ないはずであるが、一応熊よけの鈴を装着。ヘッデンを点灯し足下を確認しながらゆっくりと進む。涼しい時間帯ゆえこの時間に高度を一気に上げておきたい。

午前4時10分出発

三股:蝶ケ岳ー常念岳への分岐点である。今回は蝶ケ岳経由で常念へ向かうのでまっすぐ道なりに進む。


明ける渓谷:穂高の町の明かりがかすかに望める。水墨画の世界であった。
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雲海に浮かぶ常念岳:登り途中の蝶沢出合にて
6時21分

早朝から荷揚げのヘリがあわただしく飛び交っていました。ヤンはだをなめるようにして急降下しガスの中に消えてゆく・・・カッコイイデス。



ちょうど稜線出でたところです。右手に蝶ケ岳ヒュッテが見えます。このあたりは一面お花畑です。素晴らしい楽園です。7時36分





蝶ケ岳の最高点:2677mに到達。雲一つ無い最高の天気である。この景色を見せられたら、三脚立てて写真撮らないといかんでしょう! ばしばし撮りまくりである。デジカメ、35m、中版と全てのカメラを駆使して撮りまくる。せっかくもってきたんだからね! 7時45分・・・出発からちょうど3時間35分です。かなりコースタイムを縮めました。

興奮して1時間くらい写真撮りまくっていたら少しガスが出てきて山頂を隠すこともあった。
穂高だ!!

ヤリだ!!北鎌だ!!

よく雑誌であるような光景ですがこの景色を見せられたら、誰でも感動するでしょうね。言葉では表現のしようがありません・・・残念ながら・・・・。今回は双眼鏡も持ってきているため、穂高ージャンダルムー西穂の縦走路を観察していると、かすかにジャンダルムの上を歩いているハイカーを見ることが出来これまた感動である!!昨年あそこを歩いたんだよな〜〜〜感動しすぎて時間の経つのを忘れてぼ〜としてたら1時間経ってしまった。簡単にパンとゼリードリンクを補給して先を急がなければ。しばらくは槍穂に平行して縦走するのでこの景色を常に左手に見ながらのハイクである。

蝶ケ岳ヒュッテ・・・ちょいと中を除いてピンバッチと日本手ぬぐいを購入。ついでに以前の教訓から、しっかりと朝のご用足し・・・トイレですっきり。さあ縦走に出発です。一旦スタートしたら戻るか進むかどちらかしかありません。常念までにはエスケープルートはありません!!攻略できるのか??さあ、いざ
9時04分

蝶ケ岳瞑想の丘にて記念撮影
9時06分

蝶槍を望みます。あわてる時は左を巻けますが、きっちり登ってゆきました。まっすぐ行けば登れますが、わざわざ横からガレ場を登ってみました。9時39分
蝶ケ岳はなだらか稜線とさわやかな風でなんの苦もなく歩けます。ただし天候が悪いとこうはゆきません。のんびり歩いてはいられませんが、景色は十分堪能できました。蝶槍は小さなピークです。ここを過ぎ更にしばらくゆくと樹林帯の下りとなり、その後も、小さなアップダウンを繰り返します。ここが今回の誤算でした。こんな樹林帯があるとは知らず、ここで思わぬロスタイム。地図をしっかり確認していなかったため蝶槍で縦走路のほぼ半分は過ぎたと錯覚してペースを落としすぎていました。実は蝶槍が、まだまだ1/3の地点だったんですね。それに気がついたのが樹林帯の中にある池の辺りでした。まあ今更あわててもしょうがないのでマイペースで進みます。樹林ありガレあり小さなガレ場のピークにでました。これが地図上2512ピークでしょう。


樹林帯から蝶槍をかえりみる




更に樹林帯を行き池のような小さなぬた場で”シェーの木”勝手に名付けたのですが、イヤミのシェーのポーズに似ていませんか?(上)ちょうど樹林帯の鞍部にでたところです。暑いです。この辺で、常念からの縦走者と多くすれ違いました(下)

2512ピークからみた常念ですが、目の前に立ちはだかり、気力を萎えさせるに十分です。しかし、ここを乗り越えなければ。帰路はありません。さあ、挑みます。残り少ないエネルゲン(スポーツドリンク)をゴクッとのみ出発。ここから一旦最低鞍部に下降し、標高差400mの直登、約1時間の見込みです
11時14分

12時17分山頂到達です。思わずバンザイもんです。タイツ分かるでしょうか?ワコールCWXプロモデルです。初めて装着しましたが明らかに、パフォーマンスが向上します。約20%のパワーアップと筋肉疲労の低減に役立ちます。実際にはいてみて実感できると思います。途中ですれ違ったグループに、そのタイツはどうか?と効かれたが、調子いいです!!みなさんも履いてみてね〜と強調しておくくらいの効果でした。これが無ければ今回の縦走は成しえなかったかもしれません。

12時20分:何とか常念山頂到達。これで、下山に4時間かけても何とか日帰り可能である。やれやれでる・・・山頂到着後45分も経過してしまいました。同じコースを歩いてきたご夫婦と少し話をし、お互いに記念写真の交換です。13時18分このご夫婦にどこから来てどこへ行くのか?と聞かれ、三股から蝶ー常念ー三股日帰りです・・・と言ったら。”ええっー日帰り・・・???クレージー!!””そんな行程だと一緒に山登る人いないでしょう・・・”と叫ばれてしまった。図星な意見である。ハードトレイルだと周りの人から敬遠されちゃうんですね。最近こんなことを普通だと思っている自分は当にクレイジーかも知れない・・・
13時18分下山直前

前常念への分岐標識まっすぐ下へ行けば常念小屋。尾根に進めば前常念。ここで、ガスがドンドン沸いてきて夏の午後であることが実感できます。さあ、ここで槍穂の雄姿とわかれて下山です。槍が最後まで見送ってくれました。さいならでございます。

この尾根の向こうが前常念のようですが、ガスが多くて遠景は見えません。さあ、出来るだけすみやかにおりましょう。雷雲ではなさそうですが、雲行きはよくありません。ここからの大岩の急下降のガレ場はなかなか手強かったです。スタンスが広くしっかりと足場を決めないと体力使います。テン泊の大型ザックの人もいましたが大変そうだなーと思うほどです。最近、小型ザックばっかりなので、重荷を背をっての山は、やや、びびり気味です。

17時05分。何とか出発点に戻ってきました。かなりの距離と困難な行程でしたがコース自体は危険もなく、ゆっくり歩けばさしたる困難も感じませんが、常念登りと前常念からの下山路は大岩の上を急下降し、その後に現れる長い樹林帯は気がめいってきます。前常念からの下山路は人が少なく静かでした。途中で8名ほど追い抜いただけで、このコースの利用は少ないのか、時間帯が遅いからなのでしょうか?今回の疲労度・所要時間などの点において、剱日帰りの困難度を上回ったかもしれません。いずれにしてもタフな行程でした。あまり何度もやりたくはありません・・・・(ウソウソまたやってんだよなキット)この後17時33分帰路に向けて出発。