2005/01/30(日)
婦長さんの雪山デビュー戦!
Mission”アイスとラッセルを克服セヨ・・・”

三重県鈴鹿山脈・御在所:藤内沢
メンバー2名

今回当院の婦長さん(御歳○○才・・・私より一回り上)とはじめて三重県は鈴鹿山脈の主峰の御在所岳に向かった。前日の天気予報で寒波が南下しているのを見計らって雪とアイスのミックスを期待しこの時期しか入れない藤内沢を目指しました。婦長さんは山をはじめて約5年・・過去に登山前に登山口の駐車場の土手から転落し肋骨を4本折っているつわものです!今回は彼女はピッケルを持っていないし、アイゼンも8本爪・靴はスリーシーズン用です。藤内沢は氷結すると、スリップも多いため、ちょっと不安でしたが、本日のコンディションは降雪後でありしっかりと雪が着き安定した斜面のため比較的安全でした・・・本日はアイスクライマーや一般登山者も含めて20-30人くらいが藤内沢から山頂を目指していました。我々以外はダブルアックス・登攀用具を腰にぶら下げた人たちがほとんどで、婦長さんが一番軽装のようでした。傾斜は最大で50度くらいのところが有り、前を行く重装備の中年女性が斜面を登れずに渋滞していることが4−5回ありました。この女性はアイスアックスやカラビナ・スリングなど重装備なのですが、氷結した1mくらいの斜面(決して崖ではないのですが・・・)が登れずに”こんなとこ登れなーいっ!!と叫んだり・ズルズルと滑ったり・・・”(その手に持ったアックスは何のため??登攀具は飾りなんですかね??)付添の男性も見守ってはいるのですが全然登れません!!私たちは先に行かせてもらうことにしたのですが、私は婦長さんにピッケル貸しているので、普通のストックだけでしたが、アイゼン支持だけで、別になんなく上げれました。一方、婦長さんはというと・・・何気ない顔して8本爪アイゼンでガシガシ上がっているではないですか!!あーー楽しいと言いながら・・・その後も重装備の方たちが停滞している斜面をすいすいと涼しい顔して登ってくではないですか・・・ビックリです。ピッケルのブレードを斜面に刺して手がかりにして・・・と教えたら嬉しがってどんどん登るではないですか・・・・結局我々2名のパーティーがほとんどの先行者を追い越して登れてしまいました。ほとんどの方は山頂直下にある、鋸岩の氷瀑でアイスクライミングを目的としており、ここで我々2名のみ山頂へのラッセルとなりました。最後の斜面は先行トレースはなく、滑るから気お付けてーねー・・と私は婦長さんに声を掛けるのですが、ここでも涼しい顔して登ってくる!!  最後まで離れることなくほとんど私と同じペースで山頂に到達し、一言””あーーー楽しかった! 来て良かった。これなら今度から一人でも来れるわーーー、ピッケル買わないかんね〜〜、先生もう1本欲しいでしょう!! 新しいのかって、これちょーだい!! などと暴言も吐く始末です!! タフです・・・ ビックリです・・・毎週私と同じく金華山とレーニングしているのは伊達ではないようです・・・・ちょっと負けそうでビビってきました・・・あんまり一緒に行かんとこうと思ってしまいました・・・


本日の藤内沢は積雪が30cm位でトレースがすでに有り、楽々ステップですが、斜度はかなりあります。場所によってはほんの一瞬ですが50度くらいの場所もありますが概して凍っていなければアイゼンがしっかりきいて快適な登りです!


前を行くパーティーがいます。この方達のメンバーでしょうか?中年の女性がいましたが腰にはクライミングハーネス・カラビナ・スリング・手にはアイスアックス・ヘルメットと完全なクライミングスタイルなのですがなぜか登るのが遅い・・・登れない・・・弱音をはいている・・・なぜな??装備は借り物で今日が最初のトレーニングなのでしょうか??

しかし、歩くペースからするともう少しトレーニング積んでからの方がいいんとちゃうかな〜〜


トラバースルートを越えると少し雪が多くなりラッセルが楽しめます。わざとトレースから外れて前のパーティーを抜いちゃいます・・・


抜いたのですが写真などを撮っていたりすると、また抜きかえされてしまいます。前後をウロウロして申し訳ありませんでした〜〜。婦長さんこのパーティーの中に紛れているのです・・


この赤いカッパさんが婦長さんです。けっこうしっかりとした足取りです。登るのは早いです。私も早いほうなのですが、ほとんど同じペースで登ります!!さすがは毎週土曜日トレーニングを積んでいるだけのことはありますが、本格的にトレーニング山行をすれば結構素晴らしい山屋さんになりそうです・・・(^-^;)


このあたりも斜度は50−60度くらいあります。雪がしっかりしているのでそんなに苦労はありませんでした。私はトレースを外して、ラッセル訓練です・・・トレース泥棒と呼ばれないために・・・


山頂直下にある鋸切り岩のアイスクライミングゲレンデです。ほとんどの方がここが目的なので、ここから山頂までの上部斜面はノートレースで私たちのみのラッセルです。ワクワクします。


比較的初心者のアイスクライマーが多いのも御在所の特徴です。近くて練習には最適なのでしょう。も白そうです・・・そそられます新しい物好きの私としては・・・・

山頂稜線への最後の急斜面をラッセルします。頑張ります婦長さん・・・全くペースは落ちていません。私は一生懸命なのですが・・・冷汗物です・・・・この後は難なく稜線に這い上がり以前来たときは一人でのラッセルに敗けて別のルートで山頂へ到達したのですが条件は今回の方が良かったです。稜線上で裏道ルートから登ってきた男性登山者2名に”すごいですね下から上がってきたんですか??””夫婦ですか・・・”などと婦長さんが聞かれていましたが・・・”親子です”と答えていました・・・どっちも無理があるんですよね〜〜〜


御在所山頂の樹氷です。山頂には前夜テント泊写真撮影山行のパーティーもいたり、にぎやかな雰囲気です。冬でも登山者の多い御在所ならではです。観光客もロープウェイでぼちぼち登ってきます。私たちはやや奇異の目で見られますが、足で登ってきた味わいはひとしおなのですが・・・


20分程山頂で休憩し珈琲を沸かしクッキーを食べ下山後の”菊井”での蕎麦を楽しみに下山開始です。下山は登路に使った藤内沢は急なので、一般道の中道ルートにしました。しかし中道は景色は良いですが、道自体は退屈です・・・

婦長さん曰く・・さっきの道のほうが面白かったかね〜〜と・・・


今まで何度も中道を降りたことはありますが途中から裏道につながる横道があったのでその道を進んでみることにしました。裏道の藤内小屋と日向小屋の中間付近で合流し、さっきの中道をそのまま降りるよりは、舗装路歩きが随分短く出来ました。


ここが合流地点です。大岩の左に沿って中道に通じるルートがあります。今まで全く気がつかなかった・・・


本日来た道を振り返る婦長さん。タフです。自分でも登りは早いけど、下りは苦手!!と言っていますが、どっこい登りも下りも早いです。なめたらしっぺ返し食らうよ〜〜。さすがに、毎日片道3kmの通勤歩行をこなしているだけのことはあります。仕事もタフです。次回、奥美濃:野臥が岳へ行きたいと懇願中です。ぜひぜひご一緒いたしましょう!!


下山途中の日向小屋です。ここにも少数ながらアイスクライミングをする方達のベースとして機能しています。

なかなか楽しい山行でした。婦長さんはおそらくこの時期のルンゼの登りは初めてのはずです。普通の残雪期の山やもっとおっとりした雪山は行っているようですが・・・途中で、”前の人たち遅いね〜〜””もっと恐い場所だと思った!!”さらに・・アイスクライミングをみて”かっこいいね〜〜ロープを使ってどうやって登ってんの〜〜やってみたいね〜”とか豪快な意見が続出です。駄目押しは・・・”藤内沢の上部から稜線に這い上がったところでちょうど出くわせた登山者に”すごいね何時間かかった”のと聞かれ”2時間20分くらいかな・・・でも。前が詰まっていて遅かった!!”もっと早く登れるよね・・”と私に同意を求めてくる・・・すごいです、○○○○パワー・・ここに有り。

そして帰りに菊井という蕎麦屋に行って、隣の席の方が注文した掻き揚げが、やたら大きいので、それを指さして”すごいね〜〜〜”と、声かけるし・・・引っ込みじあんで、人目を気にする私としては、あらゆる意味で、見習うべきかもしれません・・・

勉強になりました(*_*)