2005/04/24(日) 残雪期槍ケ岳日帰りの挑戦・・・ 岐阜・長野県:槍ケ岳3180m;飛騨沢アプローチ メンバー:単独 形態:山スキー登高 |
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金沢のハイパードクター早川氏の厳冬期槍ヶ岳日帰り滑降にあこがれて、本格的に山スキーを始めて2シーズン目。山岳会や指導者もなく、ここまですべて単独行で山トレをおこなってきた。トレーニングといっても奥美濃ー飛騨エリアがメインで、せいぜい唐松、針ノ木などなど・・24日日曜日、今回残雪期:槍ヶ岳日帰りに単独でアタックした。前日仕事が遅れ、寝ることができなかったのが災いしたか、結果は高度障害で飛騨乗越までで敗退! 昨日のような最高の天気の日に敗退とは悔しい限りである・・・ |
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奥出発前の一騒動:24日土曜日午後4時:ガソリンを入れようと思いカードを探したが見当たらない。先週土曜日に使ったきりどこに置いたか記憶もない。服のポケットやら家の中とか一通り探したが無い!しょうがないカード会社に電話をして止めてもらう。そして近くの交番に遺失届を提出。もう一度帰って先週着ていた服のポケットを再度調べたら“あった・・・”すでにカードは失効状態!がっかりである・・・ | |
その後から準備を始め、出発できるようになったのが夜9時。出発・・・東海北陸自動車道:岐阜関インター付近で横から飛び出してきた小動物(恐らくたぬき?)を左前タイヤに強い衝撃を感じ・・・見事ヒットである。出だしからツイテイナイ・・・気分はまた低下し、途中のSAで車体に損傷は無いことは確認できたが気分は盛り上がらない。少し寝ますか・・・1時間のみ仮眠。 | |
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午後11時30分無理やり気分を盛り上げて再度出発。2時に新穂高到着・・・思ったより遅れてしまった、午前3時に無料駐車場をMTBで出発。寝ていないのがつらい・・・デジカメで記録とっておこうと思ったら完全に電池切れ状態!!記録が残せない! また落ち込む!! しょうがないので645中版(FUJI GW)をメインマシンにする。なんだか背中の荷物も重たい・・とにかく幸先悪いことばっかり・・・ 穂高平手前まで雪があったのですぐにMTBをデポ。こんなに少ししかMTB使えないんじゃ乗ってこなけりゃよかった・・・・また落ち込む・・・ |
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もうこの時、時間は午前5時前。すでに明るくヘッデンも必要ない。白出沢を過ぎてからシール歩行。滝田に出合に到着。ちょうどこの時間に空が明るく青みを帯びてきた。雲はなく最高の天気になりそうである。 滝谷出合・・本日デブリは少ない。楽々通過 |
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この時先行するトレースを発見。槍平で先行の2名の山スキーヤーを発見し、トレースを追うこととなる。午前7時:槍平小屋を過ぎ徐々に傾斜を増し始める。穂高の山並みが徐々に目線の高さに近づく。一歩一歩登るたびに・・・ |
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午前8時ごろ・・・千丈分岐付近で追いついたのですが山梨の深沢さんと同行のテレマーカー広瀬さんでした。深沢さんは金沢の早川さんと最強コンビでかなりすさまじい日帰り山行を行っており、知る人も多い。
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徐々に高度を上げ振り返ると笠ケ岳の秀麗な姿を全貌を現し見送ってくれた |
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その後千丈乗越から上部はかなりラッセルも増えてきて、深沢さんの先行でその後を続かせていただく。さすがに早い・・深沢さんの後をかなり遅れ気味で11時30分飛騨乗越に到達。ここまでですでに息切れとめまい感がひどく高度障害の状態で難儀して、穂先までは雪もかなり多く、クラストが予想されたので、かなり迷ったが、残念ながら敗退を決意。過去悪天以外は敗退したことが無かったが、今回の息切れは自分でも限界を感じた・・・同行の方もこれ以上は無理とのことで敗退でした。(深沢さんには申し訳ないことをしてしまいました。スキー担いで行きたそうな感じでした) |
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かなりゆっくりとペースを下げ進む。飛騨乗越で深沢氏は30分以上は待っていたと思う。申し訳ないかぎりであった・・・更に私の後に遅れること30分・・・深沢氏に同行していた広瀬氏が到着。彼もまた、かなり疲労している様子であった。広瀬氏はいつもはロッククライミングが中心でいつも深沢氏にクライミングを教えているのだそうだ。 乗越からはまるで厳冬期のような槍の穂先が印象的であった。山頂には誰もいなそうだ。眼下に見えた殺生小屋は雪解け作業の方が働いているのが見えた。 今日の体力では乗越から穂先が異常に遠く感じてしまう・・・深沢氏は余裕だが私は・・・1歩が出ない・・・登れないこともないが現在12時である。順調に登っても穂先の往復は1時間30分くらいかかりそうだ・・・帰りの時間が思いやられる・・・今日は×だな・・・悔しいけど諦めて下山の滑降に掛けよう・・・深沢氏も今日は登らなくてもまあいいか・・・と行動を同じくしてくれた。優しい方である。 |
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乗越で記念写真を撮りまくり、滑降の準備を整える。夢にまで見た、飛騨沢滑降の始まりだ・・・気分はいやがおうにも昂ぶる!! |
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左手には大喰岳が・・・さあ準備は整った。GO・・・ |
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気を取り直して、さてお楽しみの滑降は・・・金曜日ころに雪が降ったのか最高の雪質だ。こんなよい条件の日に誰もいないとは驚きである。結局この日はわれわれ3名のほかには誰も登ってくることはなく、長大なまっさらな飛騨沢に3名で思う存分シュプールを描かせてもらい、深沢さんに写真を撮りまくってもらいました。深沢さんの独特な雪の上を舞うようなフォームに感動し、色々な話も聞くことができ大変勉強になりました。 |
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お互いに写真を撮りあい滑り降りる。人の滑りを見ることが、技術の向上につながる。山スキーには王道の滑りはないと思う。どんな状況でも転ばないことが上手さなのだと思う。ゲレンデとちがって転倒は命に係わるから・・(といっても飛騨沢はそんなに急斜面ではないのでよほどカリカリのアイスにならないかぎり大丈夫だけど・・・)中間斜面になるとどんどんと雪が重く腐り始める・左右からは少しずつ小さな雪崩れ発生している。 さあどんどんと降りよう・・・ |
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時々自分のシュプールを振り返る。まだまだ、上手くはないけど何となく形になりつつあるかな・・・下部斜面や槍平小屋周辺はさすがに雪が重くまともに滑れる状態ではない。頑張ってスケーティングで進む。樹林帯に入りこの後は登路に忠実に戻る。帰りはけっこう時間がかかってしまった。白出し沢を過ぎ自転車デポ地点まで雪を繋いで滑り、穂高平避難小屋から少しくだって自転車を回収しわずかではあるが一気に無料駐車場までダウンヒル・・・
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とうとう飛騨沢を滑ったんだ・・・という感慨に浸りながら大満足で帰路につく。自宅着はやや遅く9時であったが、疲れはなかった。今回は穂先までは届かなかったが、もう少し体調さえ調えておけば十分可能であることがわかったし、もう少しタイムを縮めることも十分可能であろう。やはり仮眠はしておかないといけませんね・・・さすがは標高差2000Mを一気に上がるだけに、それなりの体力と準備は必要だな〜〜と反省。しかし滑降はほぼバージンパウダー状態でウハウハでした。駐車地に着いたのが5時とかなり遅れ気味でした。穂先まで行かなくて良かったかな・・・最後はみんなで荒神の湯に入ってお開きにしました。今回は体力・準備不足と経験不足で敗退を認めつつ、またいつか挑戦してみたいと考えている。 槍ヶ岳滑降で見た深沢名人のすべりはさすが・・・と思わせるものがあった。滑りだけではなく登りの無駄の無い動き。基礎体力の違い(年齢は私が4歳くらい上なのですが)をまざまざと見せ付けられた。今まで山スキーや登山で、通常のパーティーと比べればほとんど遅れることなく、むしろどんどんと追い抜いてゆくこともできたが。やはり上手い人の動き・技術を見ることも大切なことである。なかなか山岳会に属することもできず、人と同じように時間を合わせることができず、単独行が多くなかなか継の一歩に踏み出せないでいた。やってみれば怖くも難しくも無いこともたくさん経験したが、やはり単独の弱みはここ一番で撤退・・・を余儀なくされることである。一人では困難な状況でも強力な仲間がいれば突破できることも多いだろう・・ |
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