2005/09/11(日)
南アルプス南部・光岳2591mに希望の光を見た・・・
メンバー:単独、
形態:ピークハント・ピストン
最高到達点:光岳山頂2591m
累積標高差:2231m
総活動時間(自動車移動込み)22時間
総行動時間10時間18分
登り5時間00分
下り4時間02分
休憩1時間10分

2005年9月11日(日曜日)

本日日曜・・当初予定していた、無謀な?新穂高ー奥穂ー西穂ー新穂高日帰りは、日本海に居座る前線の影強で天候の悪化が予想されたため中止し、天気図から判断して晴れの確率が高そうな、太平洋側が良いと考え、南アルプス南部:易老渡から易老岳〜光岳〜イザルヶ岳の日帰りピストンを決行した。深田百名山の一つであるこの光(テカリ)岳は南アルプスの最南に位置し、山容や標高などからなんでここが百名山??という印象しかなかったが、その名前はヤケに気になる存在でありました。光=テカリと読み、なぜか神秘的に感じてはいました。しかし距離が片道10km以上あり、ルートは単純だがアップダウンもかなりあり、それなりの覚悟が必要な感じです・・・でも何とかなるやろ!ととりあえず暗やみの樹林に突入です。イッテキマ〜ス

真っ暗です・・・(^-^;)・・恐くはないですが、踏み跡が見にくいです・・・午前5時:易老渡にてこの橋の向こうに登山道が・・あるはずです・・・取り付きは午前5時。相変わらず真っ暗だったが、昨年聖岳日帰りの際に取り付き点の確認をしておいたため真っ暗でも不安はなかった。しかし実際に取りつき、少し進むと真っ暗なかで踏み跡が交錯し、どっちがホンと?と迷ってしまったがここは一発GPSに頼る。何とか樹林で信号補足し、進む方角を確認した!さすが科学の力!!この後30分くらい進むと徐々に空が明るくなり踏み跡も明瞭に認識でき歩はどんどんと進む。しかし結構な急登である!x
この後はミズナラ、檜、白桧曽、ブナ・・・いずれもかなり立派な巨木ばかりだ。さすがは南アの樹木は立派である。本日はそんなに暑くもなく、いまのところ天候はよさそうでだ。気持ちにも余裕が出てくる!樹林の切れ目から聖岳を望む。昨年はあそこへ登ったのだ・・と感慨もひとしお。ひたすら樹林です。途中の面平(めんだいら)・2228mピーク・を通過してようやく易老岳に着いたのが出発から2時間40分経過した、7時40分です。

午前7時40分・・・取り付きから2時間40分で易老岳に到着です。稜線上にある樹林の入り開き程度で見渡しはほとんど利きません。別にどうってことの無い場所で、黄色の道標のある場所から10m奥に三角点があります。5分休憩しそそくさと出発です。ここで、本日の下山者数名とすれ違いまし。この先の情報を交換してお別れです。しばらく樹林を進むと、平坦な樹林部・三吉ガレ・少しアップダウンが有り、涸れ沢状の登りがあるとのこと。さあ先へ進みましょう・・・

どんどん進みましょう。易老岳からは一旦下って樹林の道をウネウネ進みまた少し登って、40分位で少し明るくなり、右手に三吉のガレが見え、さらに遠方には聖岳が雄々しくそびえています。もう少し時期が早ければ植物が咲き誇っていそうな場所ですが、わずかながらトリカブトが咲いている程度です。

さらにどんどん進みます、緩やかなアップダウン・樹林帯・30分くらいか・・傾斜がまし、涸れ沢状のガレを登ってゆきます。このあたりから右膝が上がりにくくなってきました。衝撃により、膝関節にガツンと痛みが走ってきました・・・・不味いな〜〜、ここで持参したサポーターを巻きます。登りで巻くと足が上げにくくなるのであまり使いませんが、今回ばっかりは、帰りのことも考えるとかなりビビリ気味です。もしも完全に膝がおしゃかになったら・・・ビバーク体制も覚悟です。しばらく休めば比較的症状は回復するため、深夜になっても何とか降りる位の気持ちで、さらに進んでゆきます・・・

ちょうど水場のある静高平付近です。

今来たガレが草原の景色の変わってくると空が一気に開け、ここが頂上に限りなく近いことが感じられました。少し行くとセンジガ原のはずです。
こうなると痛い膝のことも少し忘れて軽快に進みます。左手には、伏流水だった沢から、せせらぎが現れ、水場があります。今日は水も十分に持ってきており、まだまだザックは重いが、思わずせせらぎの水を手に抄くってみる・・・ひんやりと冷たい澄んだ水です。ようやくここまで来たか〜〜と充実感が湧いてきます。木道の上を、じっくりと踏みしめ、今日のこの天気に感謝し正面に見える光小屋へ向かいます
センジガ原に引かれた木道です。ここまで来てようやく長い樹林の登りから開放され広々とした光景が広がります。ここまでくると正面の光小屋まで約5分です。その後、光小屋の前からは広大な景色が広がりますからここから左手に道を分けるとイザルガ岳まで片道約10分です。とりあえず時間のこともありますので先に光岳に行きます。

光小屋前からはイザルガ岳越しに360度遮るものが無い光景が広がります。特に正面に富士が裾野を拡げている光景が秀悦です。ここから左手に道を分けるとイザルガ岳まで片道約10分です。光小屋を越え少し登り樹林に入り5分で、静岡県寸又峡側の登山口を分ける道標があります。さらに7-8分くらいで光岳山頂三角点に到着です。ジャスト10時。出発から5時間です。コースタイムの8時間を大幅にカット出来ました。

何もない、静かな静かな山頂です。聖方面のみが少し切り開から、見渡せますがその他は、視界は利きません。この先10mに展望地と7分先に光石があります。折角だから行ってみます!・・・しかし膝がかなり痛くなってきました。引きずる状態です。ダブルストックできてよかった・・・引きずりながらも進んでみます(もうどうにでもして!という感じです)

ここが光石です。確かに真っ白ですが、別に凄いというものではないです・・・遠くからみるおこの岩が白く光った見えるため、光岳と名付けられたようです。静かな静かな山頂です。一人だけ初老の方がみえましたが、先に降りてゆかれたためたった一人の静かな場所になりました

センジガ原〜光小屋〜光岳三角点〜光石(てかりいし)にまで一気に進む。ここが光岳の名前の由来となった頂上の岩肌です。遠くから見たときにこの岩肌が光って見えたことが山名の由来のようです。小さなガレのピークですが高度感あふれる場所です。落ちないように注意してください。ここで、痛んできた右膝をマッサージして何とか痛みを和らげる。鎮痛剤をのみしばし休息。しかしあんまりゆっくりしていられない。現在10時30分。取り付きから5時間30分経過。これからもう一度光岳〜小屋〜イザルガ岳に立ちより下山予定です。この痛む膝・・最後までもつのか??


光小屋です。奇麗な小屋です。数年前に立てられた新しい小屋です。泊まってみたくなるいい雰囲気ですね。管理人さんは女性でした。彼女にピストン??と聞かれそうですと返答。。やはり何人かはピストンで来ることがあるのだという。

さあさらに進んで、イザルガ岳です。ここから見る360度の光景にあこがれて、ここまで来たようなものです。さすが正面に富士と左手にややガスに隠れた聖岳を見る景色は雄大です。北アの固まり様な岩山よりもここ南アの山は山体が大きく、雄大です。そういう意味では縦走登山はかなり距離が有りそうです。

山頂標識はなかなか味のある物です。くりぬきの文字の向こうに見る聖岳はなかなかイイ感じですね。

往路5時間ちょうどで光岳山頂、光石往復とイザルヶ岳往復を合わせて1時間、下山はアップダウンが多くやはり時間がかかり約4時間20分。合計10時間15分の行程であった。結構キツイルートではあったが、暑くなかったのが幸いでした。昨年の聖岳の時もきつかった、やはり南アはアプローチが長く、地図で見る以上にしんどい。これに比べて北アは視界が広いので気分は楽ですね。しかし、南アは緑濃い静寂の樹林帯と、ヒノキ・ミズナラ・ブナの巨木が素晴らしく、イザルヶ岳ではハイマツが生い茂り、まさに雲上の楽園でした。

下山途中の標高2000m付近にあった巨木の幹ですが、ナンかへんてこなコブができていて面白いです・・

国道(酷道)152号線にある登山口の看板です。真っ暗なときの唯一の目印です。

面平にあった標識です。登りはここまで1時間くらい。下りも同じくらいかかってしまったと思います。樹林の中の下りはひたすら単調でした 15時18分:取り付きから10時間チョットで登山口に戻ってきました。なかなか大変な下りでした。登りはそんなにきつい印象ではなかったけど、急斜面の下りは膝に負荷がかかり大変です。山スキーのようにシュパッ−というわけにはゆきません。下りの余力を残しとかないと、そのうちビバークになってしまうかも・・・

天気は午前中はほぼ快晴で、富士山・南ア北部・中部・深南部の峰々はほぼ山容を現してくれた!!11時くらいからどんどんガスが沸いてきて、見晴らしは悪くなってきた。下山時はぽつぽつと雨も降ってきたがその後も大した降りにはいたら無かったです。静かなよい一日でした。南アは人が少なく落ち着いて山に向かうにはよいですね。北アは雑踏のようで静か・・・という雰囲気ではないでしょうから。
危険箇所はまったく無く淡々と歩くルートです。危険と言えば国道152号線から、日本のチロルこと上村への県道を進み、さらに便ヶ島への赤石林道をひた走るのですが、この赤石林道の落石とダートが一番怖いかも。夜中に走ると道路上に石が散在しており気を遣います・・・始めていった昨年の夏に深夜の真っ暗なこの林道に恐れをなして一旦村まで引き返し、少し明るくなってからもう一度、便ケ島へ向かいなおしたといういわく付きです。さすがに二回目ですので道間違いの心配は無く迷うことなく取りつくことが出来ました。しかし突然鹿が飛び出してきたり、暗やみに鹿の赤い目が光ったりすると、ヒョエ〜〜とびっくりです。
先々週の甲斐駒でもそうであったが、弱点の右膝が登りの時からすでにあがらなくなり、ひょっとして敗退か、もしくは帰れないかも・・・との様相であった.。一時全く膝が曲らなくなり、ガキッと痛みが走り、離断性骨軟骨炎か?というひどい症状であり、冷や汗ものでした・・・登りから痛かったけどそれでも後のことを考えずに登ってしまった。下山時は、消炎鎮痛剤のロキソニンを3回程のみ何とか我慢して足をひきずって帰ってきた(;_;)

途中で引き返すか・進むか・・・今回は真剣に悩んでしまいました。しかし、なだらかなセンジガ原ののどかさの向こうに見えた、なだらかな光岳・・・そして白く輝く光石。諦めかけた気持ちに元気と希望を与えてくれたような、そんな優しい感じの山でした。ゆっくり歩けば大丈夫だよ・・・そんな言葉が聞こえてきそうな、静かな静かな、南アルプス南部の楽園でした。

蕎麦屋訪問:そば処  おんびら 飯田支店 おんびらはここ飯田以外にも 下伊那郡阿智村智里4405-1に本店があります。ここら辺では有名な店です。こだわり蕎麦系というよりは、一般量販人気蕎麦店です。10割り手打ちが残っていたので頼んでみました。味はそこそこ。つゆもそこそこ。量販店にしてはまあまあかな・・という感じです。そば湯はうで湯呑みでさっぱり。エビの掻き揚げを頼んでみました。フリッターの様な感じです??卵を絡めて揚げたのかな?チョット疑問な味でした。しかし空腹でしたので全部いただきました・・・

長野県飯田市県名古熊2035 TEL0265-21-7708 

営業時間11〜15時・17〜21時  月曜定休


【Mountai Diary TOPに戻る】

【HP TOPに戻る】