【No.】【日時】2007/04/15(日)信仰の山:御嶽山 静かな飛騨側登行は長野側より信仰心にあふれる?
             
御嶽山:飛騨山頂〜摩利支天岳少し手前まで
【山域・山名】岐阜県 御岳山 飛騨山頂〜摩利支天
【コース】濁河温泉終点駐車場〜草木谷〜尾根筋〜飛騨山頂〜(アイゼン登行)〜摩利支天手前最高到達点2940m
【山行形態】山スキー/日帰り/ピークハント・ピストン
【メンバー】操 潤 単独
【累積標高差】1200m  摩利支天手前最高到達点2940m
【行動時間】約6時間30分(登り4時間30分、、下り:2時間)
【天候】晴〜曇
【私的お勧め度】滑走快楽度:景観★★☆、滑走難度★★:登高難度:★☆(森林限界上はクラスト、斜度が緩くなるとテカテカの氷)  
(※☆〜★〜★★★:三つ星評価;天候・雪質の状態で滑走・登高難度は変わります)
【行動概要】今シーズンの課題の一つ岐阜県の雪山の知見を高めよう・・・乗鞍・御嶽がその中心である。今回はなかなか取り付けなかった御岳山飛騨山頂を目指してみた。前日は所要で睡眠なし深夜2時慌てて岐阜市内を出発し高速〜国道41〜経由で約4時間かかって濁河温泉最終通行止め地点に到着。休憩する間もなく準備開始し、御嶽山岐阜県側飛騨山頂登山口標高1800mから早速取りつく。今回は標高差は1200m程度なので約3-4時間の行動時間の予定。概ね夏道にしたがって、最初はスキー担ぎで30分ほど登ると、標高2000m付近から、そこそこ雪がつながってきてシール登行とした。ここ御嶽山はいわずと知れた御嶽信仰総本山である。長野県側御嶽スキー場から登るスタンダードルートはロープウェイで一気に2200mまで登れる。一方飛騨側は車を使ってひたすら長いドライブで1800mまで高度を上げる。御嶽山といえば・・・至る所に祠や地蔵があり道もしっかりしており迷うことはほとんど無い。冬であってもしっかりと岩が積まれたり、鉄杭が打ってあったりしてルートファインドは優しい部類だが、それでもやはり3000mの独立峰である。うかつに登るととんでもない風にやられてしまうことも多い。今回も飛騨頂上から風は厳しく摩利支天手前では厳冬さながらの顔をたたく強風であった・・・今日はアルミアイゼンじゃなく先程買ったニューアイゼン:ペツルシャルレ、レバーロックがガシガシ効いて気持ち良かった!さらに、こんなときはBlack DiamondのストックWhippet Self Arrest(ウィペットセルフアレスト)はかなりありがたい! ジャケット・フードを完全に閉め強風防備の状態での登りとなった。


朝6時12分・・・すでに明るく、少し暖かい!いつもよりかなりゆっくり目のスタート。さすがに現地着が6時じゃあね・・・余裕があれば剣ケ峰までの予定だが、とりあえずは飛騨山頂が目標

信仰の山のはずなのに・・・・

ジョーズ岩の案内板なんかもあったり・・(人食いざめ・・なんて書かなくてもわかるぜよ)なんてB級なんだろう!嬉しくなっちゃった!!

6時49分

登路途中の7合目営林署避難小屋より摩利支天岳(今回の到達最高点はルンゼ状に切れ込んだ左端に見える小さなピーク)摩利支天山頂は中央の最高点

どんどんシールで登って約2時間で飛騨山頂の稜線に・・・ここはかなり風がきついさすがneary3000mである。雪面はクラスト〜アイス・・・もうすこし時間が経てば緩むだろうが、今日は厳しいそう・・・

10時01分

飛騨山頂までは傾斜は25-30度くらい、スキーアイゼンで何とか逃げ切ったが、摩利支天への急斜面はアイゼン歩行とした。ほとんど氷の斜面・・・滑ったら草木谷へ真っ逆さま

飛騨山頂から摩利支天手前稜線

ここは飛騨頂上祠?

至るところに祠があって実際はどの祠かわからなかった・・・ここは実際は飛騨山頂ではないはず。もう一つ下に小屋と石碑がある場所が飛騨頂上だと思うのですが・・・単独でも懲りないポーズ!

10時11分

摩利支天へのリッジへは、一旦崖を下りる必要がありノーロープではやや危険。かなり下まで巻くように下って登り返せばいいが、風も強いしスキーもデポしてきたし今回は止め。最終目標の飛騨頂上は既にたどってきたし・・・

10時17分

純白の峰の乗鞍〜北アが豪快!!手前は継子岳

継子岳と四の池のお釜

10時18分

やや緩んで何とかシュプールはつくが・・・堅かった雪面滑走快楽度はかなり低かった。ただ、独占できたことがよかったか・・・2名の夫婦のツボ足が登っていきましたがそれ以外は誰にも会わなかった・・・

こんな光景も!ニュートンリング状ですね。御嶽上空は主要航空路線なんでひっきりなしに飛行機雲が出現します

11時40分

少し浅いパウダーもいただく。でも距離は短くあっという間の快楽だった・・・

標高2200m以下は厳しい樹林が続く。木の枝が行く手を遮る。顔はゴーグルやキャップでしっかり防備したほうがいいでしょう。その後は神社に飛び出て無事到着!!12時52分

御嶽教は山岳信仰としてはかなり教徒も多く約50万人といわれています。夏に御嶽山は登ったことはありませんが全国からの団体バスが乗りつけ白装束に脚半巻き、手には金剛杖・・そうはそれは異様な光景だそうです。もともと御嶽教の歴史は古く宝亀5年(774)に、ときの国司信濃守石川朝臣望足が、当時国内に流行した疫病の平癒と退散を祈願するため、黒澤口より登山して神殿を創建したと云うことから始まったようであるが、その後の御嶽教の思想の一つとして・・・御嶽山で霊が生まれ、現世での生命は体だけを借りた仮の姿であり、死せば再び魂は御嶽山に戻るというものである。至る所に石碑・墓石が散在してるのが伺われる。ここ御嶽山はもっとも最後まで女人禁制が如かれていたようです。江戸時代に覚明行者が全国に広く知らしめてから現在の規模に膨れてきたようです。自分にはあまり信仰心はありませんが、山はもともと神の宿る場所として、特に山頂に遅くまで雪を抱く高山に必ず神の存在が記されていますね。少しは山の歴史を知ることも必要かなと思うこの頃・・・パワー系だけで登っているのはいい加減アホかも・・・・反省。落ち着いた山歩きってのも大切ですね。特に近くの鈴鹿山脈は炭焼き・東西の交易路の峠など・・山と生活が密接に結びついた場所が多く、様々な書物の出版も多く、その歴史を偲びつつ歩く方が多いのが特徴です。博識のある山登りは自分には・・・き・び・し・い・・

今回の温泉は秀逸!濁河は源泉掛け流し:Petit Hotel MIYAMA(濁河温泉 プチホテル 百草の湯 みやま)

0576-62-2122

今回の温泉は久々のヒット。ペンションのお風呂なのですが500円で内湯・外湯あり、もちろんシャンプー・リンス・ドライヤーも。

公共の浴場は確か300円だったと思うが外湯だけでシャンプーリンスなどはなく、洗い場も寒いので大変です。ここはいい感じの陶器製の釜湯もある。ただし今日はお湯は張ってなかったです。

内湯・・・暖かいお湯はかけ流し

独占の時はこんな事も!

帰りの県道御嶽パノラマラインから御嶽全貌。

左から:継子岳・低い鞍部が飛騨頂上〜摩利支天〜なだらかにつながって最高点剣ケ峰〜少しとんがった継母岳

サックと登っておりてきましたが、豪快滑降は出来ませんでした・・・雪のコンディションはハードバーンで風も強烈。まだまだ気候は安定していなかったようです。下部樹林は杉が濃く、枝にぶつかりながら忍耐の滑走でした。

帰りにかかった時間はクネクネの県道をひたすら走りさらに国道を南下し高速にたどり着き・・・約4時間以上と時間以上にきつく、混雑してなくてスムーズに流れてこれだから、アクセスの悪さは否定できない・・・・温泉入浴ご1時45分に現地発。何とか6時前には職場にたどり着いたからいいけどやはりDoor to Doorで登れるあんちょこな山に偏ってしまうのもしょうがないかな。

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