【日時】2008/01/20(日)
今シーズン最高行動時間:12時間と標高差2070mの御前岳北西無名ピーク1835mを巡るチカレタ山行・・・
【山 域】飛騨高地:御前岳北方無名ピーク1835
【コース】白弓スキー場〜稜線〜野々俣谷源頭〜野々俣谷1300m〜1734前衛ピーク横〜コル〜稜線〜1835mピーク〜三の谷谷筋滑走〜登り返し〜水平トラバース〜1735mピークから滑走〜スキー場トップ〜駐車地
【場 所】 御前岳北西無名ピーク:俗称・・・三角ピーク1835m
【日時】2008/01/20(日)
【標高差】 約2071m、最高到達点1835m無名峰三角ピーク、行動時間:12時間
【メンバー】篠崎氏、操 潤
【天 気】 曇り〜小雪
【装 備】私:ハボック173cm、ガルモントGライド、ディアミール、篠さん:アトミックディラン170cm、スカルパ、タルガG3

【私的お勧め度】滑走快楽度★★:景観★★★、登高難度:★★★  
(※☆〜★〜★★★:三つ星評価;天候・雪質の状態で滑走・登高難度は変わります)




ルート全体図
御前岳周遊ルートはこのエリアのクラシックルートである。厳しいルートではないが長い距離と小刻みなアップダウンが続く。標高差は累積で1600m程度となる。今回はpowder斜面で名を博した野々俣谷1350m間での滑走と対岸から稜線への登り返しともう一つの谷:三の谷滑走の可能性を探るコースを辿ってみました。GPSデータからはかなりの高低差がありシールの脱着と登板能力が問われるかなり厳しいマニアックなルートでした。安易に辿ることはお勧めできませんが条件が良ければ1835m無名峰と御前岳の2つのピークを辿ることも面白いルートでした。地形図以上に複雑で奥深いエリアでまだまだ山スキールートとしての可能性を示唆するエリアでもありました。写真下:切り開き斜面のような1835mピーク。手前は山頂への最後のアプローチに出来た雪庇に注意しての行動でした。
飛騨高地の最高峰は猿が馬場山:1875m・・・次は・・・?御前岳1816.5m?  いや待った!その狭間にもう一つの三角点すらないピークがあるのをご存知ですか?無名峰ながら堂々の1835mです・・・遠くからでも意外に目に付く三角の山容のピーク。我々は勝手に御前岳北西三角ピークと名付けて、今回、野々俣谷1300mまで滑り込み、この谷筋の偵察も行い、そこから1835m峰と三の谷の滑走など、御前岳周辺のヴァリエーションスキーを試みてきました・・・行動時間は私の体調不良もあり、登りで時間を食ってしまい12時間に及んでしまいました。以前から悪天やストックのトラブルなどで連敗の未踏の御前岳を捨てて、あえて単独では決して登らないであろうこの三角ピークを選択して腰痛や体調不良の体に鞭を打ってしまった・・・
パウダーシーズンの標高差としてはかなり大きい2070m、谷から登り返しと帰路の登り返し・長い、なが〜い水平トラバースなど、我らおっちゃんにはかなりイケテル??行き過ぎてる?ツアーコースでした。しかし気温は低く雪は全体に軽く(一部モナカでしたが)ラッセルも靴ラッセル程度で条件には恵まれていましたので、成し遂げることが出来ました・・・それにしても疲れた・・・最近調子が悪かった腰痛と下肢痛、そして足が上がらない、シールの不調・・・などもスピードを低下させる原因となってしまったのは大反省。
”もういい歳なんだな〜無理し過ぎかな・・・?”と篠さんとしみじみ語りながらの行程でした。でも、何かを行うときには自分の力のギリギリのところで物事を成さないと充実感はないな〜!!と話はまとまってしまいましたとさっ!
コースタイム:
白弓スキー場駐車地発:5:00
スキー場トップ:6:01
上部尾根乗上げ:7:20
野々俣谷源頭滑り込み地点:9:00
谷下部1350m付近折り返し点:9:50
登り返し1734mピーク左コル:11:57
1698mコル:12:10
18335m無名ピーク:13:06
三の谷登り返し点:13:30
1734mピーク合流:14:40
1735mピーク滑走開始点:15:53
1424m稜線〜沢合流地点:16:15
スキー場トップ:16:30
白弓スキー場駐車地:16:48

1500m稜線付近から白山(左)、三方崩山(右)・・・今年はやはり白さが足りない。雪が少ないせいだ

野々俣谷源頭1700mから滑り込み。最初はpowder斜面だが徐々に重い雪に変わり傾斜もきつくなる。最後はまさに谷の雪割れも登場・・・さあどうする・・・

野々俣谷源頭1700mから1300m付近まで滑り込んでしまった!!さあここからはい上がるのが一苦労。下部は水が出ており勇気一発とりゃーとブリッジを越える。この辺は相変わらずの冒険好きのおっちゃんペアの毎度の仕業である

雪が少ないんだよな〜野々俣谷1400m付近から所々雪割れして水の音が・・・谷底はかなり傾斜もありスキーを脱いで早めに対岸へのトラバースしたが、際どい登りであった。雪が少なく水の中へドボンは絶対禁物。ここからまた厳しい登り返し350mが待っている。これをこなしてようやくノーマルルートへ復帰して仕切り直しだ。私の登板能力が悪く足をひっぱってしまい申し訳ありませんでした。

無名峰三角ピーク1835mから見た御前岳1816.5m。普通の模範的山スキーヤーは御前岳を選ぶ。我々は一歩はみ出して、より標高の高いほとんど人が踏み込まないであろう三角点すらないピークを選んでしまった・・・・この後、1734m左コルへ登り上げ、ようやくシールを外して1698mコルまで滑走。そこから再度シールでいよいよう最後の1835mへの登り上げへ・・・

これが無名峰1835m1635mコル付近から見上げる。意外に近く感じるですが・・・はたして・・・

最後の登りは稜線雪庇をかすめる・

13:00。ようやくたどり着いた無名ピーク1835mにて:おっちゃん達は三角形のこのピークを単純に三角ピークと読んでいましたが。あそこが御前岳1816.5mだよ〜と。さあシールを外し三の谷源頭へ向かってGO!!ここは絶品大斜面。powderで頭がぼーっとマヒしてきた。この山深いエリアに踏み込んだ人は数少ないであろう・・

1835mピークからダイレクトに三の谷源頭に滑り込む絶品大斜面!!ここに足を踏み入れることはもうないだろう・・・

滑り撮り動画からの切り抜き写真・・・ここは一瞬の快楽斜面でした。この後徐々に谷が狭まりモナカ雪やクラストなど様々な雪質に変化し対応するのもまた山スキーの面白いところ。少し早めに滑走を切り上げて1650m付近から左斜上ぎみに1734mを目指すが、少し早すぎてちょいとアップダウンに捕まる・・・中々難しいルート取りであった・・・

巨大なブナやミズナラに癒されながら・・・・

長い長い水平トラバースと最初の野々俣谷滑り込みシュプールを横断した・・・長かった

最後の沢滑走へGO。この沢は意外に傾斜があり雪こそ比較的柔らかかったがいつもはハードなモナカかざくざくデブリランドだが今日は助かった。我々のトレースを追ったスキーシュプールが1735m峰から一本付いていたのみであったから雪面は荒れていなかった。足に来ていてまともな滑りでは無くなっていたが、気合いでジャンプターン

スキー場トップからゲレンデ下部を見下ろしてようやくここまで降りてきました・・・日没までには何とか帰れた・・・最後のゲレンデのガリガリ斜面には疲れました・・・

篠崎氏の最近はまっている動画着きの素敵なHPへもGO!!

http://homepage2.nifty.com/gynealp/

【注】本コースは危険度の高いコースです。十分な情報と判断が要求されますことを付け加えておきます。ここでの情報は筆者の主観によるものでありガイドの役目ではないことをご了承ください。山で生じた不利益はすべて本人の自己責任のもとでの行動に負うことをご理解ください。

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