【日時】2008/02/17(日)
伊吹の女神の誘惑。2年ぶりの純白のベールに触れて・・伊吹山1377m:ノーマルコース
【山 域】滋賀県 伊吹山 1377m
【コース】伊吹山上野登山口〜ほぼ夏道〜1合目〜3合目〜5合目〜9合目〜頂上三角点(往復)

【場 所】 滋賀県 伊吹山 1377m
【標高差】 約1200m、最高到達点:伊吹山一等三角点1377m、行動時間:6時間
【メンバー】操単独
【天 気】 風雪・視界不良
【装 備】ハボック173cm、ガルモントGライド、ディアミール
【私的お勧め度】滑走快楽度★★:景観☆(ガスガス)、登高難度:★★重い雪ラッセル  
(※☆〜★〜★★★:三つ星評価;天候・雪質の状態で滑走・登高難度は変わります)

ルート全体図

2月17日・・本当は午後からの用事で山には行く予定はなかったが、1週間も経つと重病が再発して、午後までに間に合わせるように速攻でご近所伊吹山に行ってしまいました。しかも、温暖化の近年、伊吹山にはもう雪はほとんど降らない寂しい状況で、昨年の正月深夜山行ではスキーをボッカしただけの惨めな登山、2年前の山スキーで滑ったのが最後でした。昨日から寒気が入った影響で降雪との事。伊吹の女神が2年ぶりよ・・早く来て!?耳と元で甘いささやき。積雪等の情報不足ですがとりあえずGO!
伊吹山の雪は大した事無いよなきっと。至る所がトレースだらけで、おまけに時間も遅いしもうデコボコかな?といい加減な気持ちで取り付いた。まずは周辺の国道が積雪で車を止めるところが無い。しょうが無いから登山口の1000円のたか〜い有料スペースに駐車させてもらいましょう。この辺も既に30cmの積雪・・お〜〜凄いじゃない伊吹山にてはしっかり降ったようだ。登山道をつぼで上がり始めるとすぐに、かつて私が見た事も無いくらいの積雪で被われた道となった。すぐにシールに切り替えて以後このままシールで。最初からノートレースで靴ラッセル。根性決めて登る。旧ゲレンデは膝まで埋まる東海道五十三次・・関ヶ原宿の重たい雪!間違えた!中山道でした(^.^;)スキートップが出にくくかなり足に来る。8時のゴンドラ運航までには絶対ゴンドラ上駅を通過しておきたい。ゴンドラが動くとどっと登山者が押し寄せるはず?しかし、この後山頂まで結局だれも登って来る後続は見当たらなかった。単独の靴〜靴上ラッセルが続く。9合目付近の急斜面で15cmの弱層が破断する。雪崩注意。そのまま正面ルンゼ右尾根状斜面を詰めて山頂へ。4時間40分ほどで深雪重雪・単独のコンディションの割りには結構早く登れた。よく頑張りました!
山頂はガス濃く視界10m程度。避難小屋でシールを外して滑走へ。右側の広大急斜面から降りたかったが上部エントリーポイントをから覗いたかぎりでは雪は降雪直後で不安定、雪庇崩落と雪崩の危険性が有り、単独の身には危険な雰囲気、素直に正面ルンゼを下る。重いがそこそこパウダー。斜度が無くなるとややブレーキがかかるが概ね良好。1100mラインでようやく後続の登山者がめじろ押し。シュー・カンジキ・つぼ足ではきつかろう・・・登山者の何名かは途中で引き返したり、途中で雪上訓練したりしていたようです。つぼ・カンジキに比べて、登高スピードは圧倒的である。下りはホワイトアウト気味で雪酔いしスピードは出せなかったがゆっくり写真を撮ったりしても1時間と少しであった。

6時15分:伊吹町上野登山口出発
7時15分:2合目
8時05分:3合目
8時25分:5合目
8時50分:6合目
11時00分:山頂
11時15分:滑走開始
11時40分:6合目
12時00分:1合目
12時15分:伊吹町上野登山口下山

登りの麓に近い登山道から既にラッセル・・・始めてここからシールが使えた!!いつもは登りにくいべちゃべちゃ泥道だけにちょっと感動!!

1〜2合目・・・ズボボボボッと潜る。にかく重い雪。いつもの平湯周辺の雪になれた体にはかなり堪える。でも、頑張るしかない、私の山スキーの原点・バロメーターの山で易々と敗退はしない

少し明るいが今日の天気は期待薄。その方がよい。気温が上がるともっと難儀な雪になっちまう。2-3合目付近。

2-3合目付近。どかっと積もったようです。寡雪の伊吹山には極めて珍しいコンディション。適当に来てしまったが思わぬビックなプレゼントかも!!とにかく全く雪面が荒れていない。いつもはトレースだらけでぐちゃぐちゃの斜面ばかりなのだが

3-4合目ゲレンデから山頂方向。このときはまだまだ天候はよい

ようやく山頂方向が望める。6-7合目。かなり雪が多く、雪崩れ警戒。いつものルートから大きく外して出来るだけ木?枝のでている周辺をジグる。

この辺雪は安定しており、ずれることはないが、視界は徐々に悪くなりちょっと先行き不安。9合目の最後の急斜面で15cm下で破断面が出る。慎重に行く。

まるで伊吹山っぽくない素晴らしい斜面(下山滑走時撮影・・6-5合目間で)

山頂避難小屋、伊吹山頂神社が見える。このときは視界がいちばんよかったんじゃなかろうか。この後はほぼ真っ白の視界5m程度まで悪化した。・・・早出に限る。

きちっと山頂は押さえておく

測候所跡地モンスター

風は少し・・・気温は-5度程度とまずまず。

山頂売店群・・・・屋根の上からゴメンナサイ・・・”冷たいおのみもの”は十分寒いので結構です・・・・

滑走!雪が重く滑りはかなり悪い。視界も悪く、はっきり言って豪快滑走は出来ず少し残念。でも以前(4年前)はこんなコンディションなら全く滑れなかったが、実戦経験でそこそこいろんな場面で楽しんで滑る余裕が出てきた。とにかく全くのノートラック!!山頂一番乗りのご褒美です。ハボックでもまだ足りない。スーパーファットならかなり楽しいだろう・・・

正面ルンゼから下ったところ。

1100m付近6-7合目まで下降。この辺でようやく後続者パティーが上ってきた。ここは手軽にアプローチできる雪山。雪上訓練組・スキー・ボードも多数。でもツボ足ラッセルの人はきついだろうな・・・・

5時間のノンストップラッセルで下り滑走は1時間弱。この山頂〜5合目の広大斜面に限っていえば10分くらいだった・・・スキー下山は速い・・・

下山路2-1合目登山口はボブスレーコース。始めてここをスキーで滑った!!いちばん感動したかも知れない・・・・以上・・・こんな雪の多い伊吹山は今シーズン最初で最後かも標高差1200mの豪快滑走でした。ボトムからトップまで完全にシール歩行が出来たのは初めてでした・・・!

期待していなかった伊吹山でしたが、関ヶ原町に入ると突然豪雪に見舞われて駐車スペースすらない状態。いつも止める某役場駐車場は雪で使えず。やむなく登山口神社の1000円もする駐車場に適当にデポ。帰ってきてからちゃんと1000円徴収された。人気無いスキー場なんだから駐車場無料にするとか、全コースピステン掛けるとかしないところが経営姿勢の現れだな・・・いっそゴンドラも全部廃止して石灰石採掘もやめて元の素晴らしい伊吹山の景観に戻してくれよ・・・・・

重い湿雪に苦労しましたが、この東海道新幹線沿線山スキーエリアとしてはかなり魅力的なコンディションであったことは間違いありません。午後の仕事もサクッとこなせて、山までの距離が45km・アプローチ時間は約1時間・・・・もっともっと降って遅れよ伊吹山!!今度はもう一度東面ルンゼ(岐阜県側)も滑走したい。来週くらいが狙い目かな!!

新幹線や高速道路・琵琶湖を眼下に見ながら山スキーが味わえる場所はほかにはキット無いでしょうね。

【注】本コースは危険度の高いコースです。十分な情報と判断が要求されますことを付け加えておきます。ここでの情報は筆者の主観によるものでありガイドの役目ではないことをご了承ください。山で生じた不利益はすべて本人の自己責任のもとでの行動に負うことをご理解ください。

2008年山行記録一覧に戻る

トップページに戻る