【日時】2008/02/24(日)
あえて薮山:揖斐川町;花房山1189m・・・Mission Sir・・・激薮の細尾根稜線を突破せよ・・But 山頂にはとどかず
【山 域】岐阜県揖斐川町;花房山1189m
【コース】藤橋村 東杉原集落 藤橋城駐車場発〜706m〜980m付近で敗退ツボ足転進・・・・

【場 所】 岐阜県揖斐川町;花房山1189m
【標高差】 約700m、最高到達点:980m、行動時間:6時間
【メンバー】操単独
【天 気】 風雪・視界不良
【装 備】ハボック173cm、ガルモントGライド、ディアミール
【私的お勧め度】滑走快楽度×:景観×(ガス薮ガス)、登高難度:★★★★  
(※☆〜★〜★★★:三つ星評価;天候・雪質の状態で滑走・登高難度は変わります)

ルート全体図

寒波が吹き荒れ悪天が予想された2月24日・・・この日は種々の理由で遠征は止めて、出来るだけ近い場所での単独トレーニングを決行。ニッポン山スキーは薮を制してこそ、その神髄?!かどうかは判りませんが、バカの一つ覚えでpowder狙いばっかりしているとそのうち雪崩れにやられるのではないか・・・大人数でのグループ山スキー山行では危機意識はどんどん薄れ、危険地帯に足を踏み込んでもイケイケで一線を越えている可能性が高い。特にあんちょこに索道などを使うと、雪質や気温変化を感じ取ることが出来ないまま一気に危険地帯からスタートしていることが多く、よりいっそう危機意識を高めないといけない。特に単独で自分以外に誰も入ってこないような山域での行動はまさに山登りの原点で、スキーは雪山をよりスピーディーに行動するためのアイテムと位置づけてあえてこの山域を選んだのです。さて、夏にも登ったことが無い薮系の山:岐阜県揖斐郡藤橋村:花房山1189mを目指しましょう。恐らくかなりの薮系の山と想像する・・・・

前日から週末寒波が吹き荒れ、岐阜市内でも数センチの積雪。薮を一気に埋めてなんとか激薮を制することが出来るのか?!

結果・・・・極細激薮稜線、雪はかろうじてブリッジ状に稜線に乗っかっている感じで、980mまで何とかアップダウンのキビシイ登りを堪えたが、とうとう力尽き敗退決定。出発時間が9時過ぎと遅く時間も迫ってきた。下りもスキーが履けたのはほんの一瞬であり、履いたとしてもキックターンとバック滑走も取り入れたスイッチバックスキー滑走であった。とにかく絶対木に激突しないように極めて慎重滑走で、さらに腰をかがめた状態でのきつい滑走姿勢で降りるという異例づくめな山スキーだ。登り時間と同じだけ下りに時間がかかる極めてマニアックな薮山であった・・・激薮に敗退したが、決して後悔はない。自分は本当に山スキーが好きなんだ!!と改めて思わせてくれるガッツ溢れるトライアルでした。

標高980mくらいで厳しい極細稜線を突破できなかった自分をふがいないと思うが、もし山頂を踏んでいたら、下山時間は3時間追加で、恐らく日没下での薮の下山はかなり危険な状況に追い込まれた可能性が高かったので、敗退の決定は間違っていなかった。

藤橋城出発:9時45
神社裏登山口:10時05分
706m地点:11時45分
980m地点:12時45分
706m地点:13時35分
登山口:14時51分
駐車場:15時14分
道の駅藤橋:16時00分(いつの間に出来たのか!真新しい立派な温泉があったので思わず入浴。めちゃ込みであったが、500円と安くさらにJAF会員で100円引きの400円とかなり安いです。)

はりぼてっぽい藤橋城。バブル期にふるさと創生1億円かなにかでつくったのであろう・・・プラネタリウムが併設されている。もともとここには城なんて無かったのだが!!

結構雪が積もっている。朝駐車したときには私一人だけだった

徳山ダムの影響でここも廃村状態のようです。昭和32年当時の部落住民の住宅配置と名前が刻んであった。最近出来た石碑のようですね。

小さな道標がある登山口。徒歩約2時間と書いてあったが、単純標高差1000mだぜ!どんな健脚を基準にしたんだ!雪なら4時間かな?と思って簡単に登れそうな感じもありましたが・・・・果たして首尾よくいったのでしょうか

最初は激薮の雪がうっすら乗っただけの極めて困難な出足でしたが、少し頑張るとこんな登りやすい尾根もありますが、概ね木々間が狭い・・・・

どんどん狭まる稜線・・・しかも小刻みにアップダウンがある。雪の下は薮枝だけでいつゆきが崩落するか気が気でない・・・・かなり焦りだす。こんな場所が3カ所。そして最後の激痩せ尾根980m付近の稜線は両サイドからの風も強くこの先もまだ200mの狭い尾根の登り。時間が迫る。帰りも恐らく同じくらいの時間が必要。滑走できる山ではなく厳しい状況を克服できず・・・

前をふさぐ薮の壁・・・・根性でスキーで突破を試みたが

一瞬見えた山頂を恨めしく思いながら背中を向けた・・・(写真は706mポイントでの山頂写真。地図上は尖りの左横奥がピークのようだ)

下りも木の幹に乗上げながら根性薮スキー・・・激突が怖い!!

少し尾根を間違えて降りてしまいトラバース・・・行く手をふさがれてまたまた薮の攻撃・・・木をつかんで乗り越える

トラバースして何とか復帰

下りの大半はツボ足で・・・・

無事に帰ってきました。藤橋城です。

昨年はなかった温泉に入ってみた。500円でさらにJAF会員割引で400円。綺麗でそこそこ広いがこの日はめちゃごみで洗い場待ちがあった・・・・でもさっぱりして帰りましょ・・・・・(2007年4月に出来たばかりのようです)

山スキーはどことなくレジャー的な要素が多くなってきており、大人数でワイワイ楽しく・・・・といったグループを見かけることが多い。確かに楽しいし人数が多ければ怖いものなしになるのでしょうが、中には足並みがそろっていないことが多く一人くらいどこかで一人くらい行方が判らなくなっても、滑落していても気がついてもくれないような、大所帯はいかがなものか?と疑問も多い。足並みそろったメンバーならそれなりに助けてもくれるのでしょうが、一旦トラブルとなんともならないような”連れていってもらい隊!”グループが多い・・・

しかしやはり山スキーは雪山登山であり、多くの危険が潜んでいる。時には快楽山スキーではなく単独でその危機意識を養うこんな山も必要だと思う。激薮山スキーでしたが、単独でのルート読みや困難を突破する精神力を保つためには時にはこんな山を敢えてスキーで登るのもワンシーズンに一回は必要。BCといったハイカラな言葉で総括する山スキーではなく、裏山探訪といったまさに山登りの原点を味わえた。山頂は踏めなかったが、一つのトライアルとしては十分楽しい山行であった。

結構疲れた5時間でした・・・・

【注】本コースは危険度の高いコースです。十分な情報と判断が要求されますことを付け加えておきます。ここでの情報は筆者の主観によるものでありガイドの役目ではないことをご了承ください。山で生じた不利益はすべて本人の自己責任のもとでの行動に負うことをご理解ください。

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