【日時】2008/04/06(日)
唐松岳Dルンゼ 〜恐怖感と恍惚と高揚感の混在。思わず声をもらしちゃうWowooo〜〜
【山名】唐松岳
【山域】後立山連邦
【コース】八方尾根ゴンドラ〜唐松岳山頂〜Dルンゼ(唐松岳―不帰3峰のコル)〜唐松沢〜南滝高巻〜二股〜八方ゴンドラ駅
【日時】2008年3月30日(日)
【メンバー】篠崎氏・操 
【装備】操:サロモン162cm、ディアミール、ガルモント。篠崎氏:アトミックシュガーダディー、タルガ、スカルパ
【天気】快晴
【行動時間】約7時間
【累積標高差】約1000m弱
【水平移動距離】約12km位
【私的お勧め度】滑走快楽度★★★:景観★★★、登高難度:★★★ 
(※☆〜★〜★★★:三つ星評価;天候・雪質の状態で滑走・登高難度は変わります)
行動概要
前日4月5日土曜日は夜9時まで名古屋で所要があり、帰りの電車待ちJRの駅で篠崎さんに電話。明日どうします?篠さんはMTB装備で岐阜・福井・石川県境の山を狙っているようだが、私はMTBの整備不良の状態で今から帰宅して、とても出動準備は無理。ならばアプローチが楽な八方尾根から唐松〜唐松本谷かDルンゼはどう?と提案。唐松沢ですか〜〜う〜ん・・行きましょうか!やや躊躇しながらも即座に決定。どうも篠さんは唐松沢が選択肢に入るのは意外だったらしい・・・
ということで10時に帰宅してその後準備で、寝ずに12時スタート。

全体図


    
八方口集合 7:00AM
二股移動 7:30AM
八方ゴンドラ下駅 7:45
ゴンドラ乗車 8:15
ゲレンデトップ 8:40
出発 8:45
山頂 11:50
Dルンゼ落ち口 12:30
南滝 13:40
二股 14:52
八方ゴンドラ下駅 15:20

岩岳スキー場上空からの鳥瞰図八方尾根から唐松岳山頂を経てから松沢〜二俣を見る


さすがに途中の高速PAで1時間30分の仮眠。名古屋〜中央道〜白馬〜約300kmの道のりで、八方口のコンビニで待ち合わせ、朝、高山市から富山〜糸魚川経由で来た篠さんと合流。一台を二股にデポして、八方ゴンドラ駅に向かう。8時と思っていたが、この時期のゴンドラ始発は7時30分らしく、もう既にゴンドラ客は乗りこんでいた。さらに上部のグラードクワッドは結局9時ごろの運行だったので八方池山荘に到着したのは9時過ぎていた。まあ、足を使わず、ズルしたんだからこんなもんでしょう!(たまにはいいでしょゴンドラも・・・)ゴンドラ様さまで楽チンで登山開始。

ここからシールで2500mまで登り最後の唐松山荘直下のトラバースはアイゼンに変えそのまま山頂へ。

途中で山頂と山荘のコルの唐松本谷の落ち口をのぞいたが、最初の斜度は42度から45度でやや狭く、北面向きのためややクラスト気味。谷はやや狭く難度は恐らくDルンゼよりは上のような感じ。難度だけではなく、広さや開放感・滑走の快楽度を優先させて、今回はDルンゼを選択しました。それでもテレマークの篠さんはやや緊張気味。私は、ここが滑れたらあとはどこでも(2号雪渓とか奥穂直登ルンゼとかも)滑れるよ!といい加減な説得で口説いてそそくさと山頂からやや足場の悪いガレ場をアイゼン下降する。他の登山者から山頂から滑るんですか?と聞かれ、“怖いけどガンバってみます・・”なんて答えて自分を落ち着かせた。山頂では記念写真だけとってそそくさとルンゼに向けて下降・・・

Dルンゼの最初傾斜は40−42度くらい。個人的にはルンゼは遠くから見ると望遠レンズの圧縮効果と同じでものすごく急に見えるが、実際にはその2割くらいは緩いと踏んでいる。何よりも怖いのはやはり雪屁崩落や雪崩、アイス斜面での滑落だろう。4月の雪は往々にして緩んでいるだろうからガチガチアイスは滅多にはないだろう。雪は適度に緩んでそんなに危険な感じはない。頭から突っ込まなければ止まる傾斜。でもやはり、最初の出だしは緊張する・・・・独特の高揚感で体中にアドレナリンとエフェドリンが充満し始める…最高潮になったところで滑り込み開始。瞬く間に全身に快感の嵐が押し寄せる。まっすぐ下には吸い込まれるような白の滑走路が口をあけている。恐怖と恍惚の混在とでもいいましょうか・・・“山登りはセックスよりもいいよ“という名セリフが思い出された・・・・こりゃーもう病気ですね・・・・まず少し滑りこんで雪の固さを報告することにする。最初の急斜面ですでにモサモサと潜るやや柔らか目のモナカ・・・カリカリアイスではなく滑落の危険や大きな雪崩の発生の可能性は少なそう(あっ・・・ピットチェックやんなかった!!)
安全地帯まで滑り込んで、ここからは篠さんと交互にシュプールを刻む。残雪期で雪面が荒れているかどうかで、板の選択に迷ったが、もうこの時期ならカービング系の板で問題ない。150cm以下の板だとデブリ帯でやや厳しい。今回は162cmのワイドシェイプカービングで急斜面も快適に滑れた。快適斜面が突然モナカに代わって転倒してしまいましたが・・・・おおむね快適大滑降が続いた。たぶん、唐松山頂や丸山ケルンから何人かのギャラリーがいたと思うが、上から見ていてあの快適さは伝わらないだろうな〜〜(山スキーやってよかったと至福に浸れる瞬間でもある)滑走しつつ振り返ると、豪快な不帰の岩峰群に挟まれた急峻なルンゼ群はあたかもヨーロッパアルプス(見たことはありませんが・・)を彷彿させる様であった。素晴らしい天気に恵まれ、300km遠方から遠征して本当によかった。

この後もやや雪質の変化を味わいながら1500mの無名沢出合まで滑降し、無名沢を登り返し、ガラガラ沢の継続滑降を実行するか迷うがこの時すでに14時過ぎになっており、時間配分から考えてもやや難ありのため、登り返しは中止しこのまま滝を高巻いて二股に向けて滑走することとした。下部雪面は徐々に荒れて、渡渉点には、昔あった橋も無くなっていたが、そんなに水量も多くなく難なく渡れた。渡渉点を超えるとガラガラ沢が出合っており、ここにはかなり多くのシュプールが付いており、ちょうど上部は八方尾根第二ケルントイレ付近だったと思いますが、ここがBC派にはよく滑られているようです。ただし雪自体はこの時期では標高も低く期待はあまりできない感じでした。この後の林道も全行程の2/3はスキーで滑れて15時過ぎには二股の駐車地点に戻ることができた。唐松沢Dルンゼの印象は・・・唐松稜線から見ていたほど急峻ではなくドロップポイントも雪屁の張り出しは無く、特に迷うことなく滑り込める。最初の20−30mをやり過ごせばあとはかなり広い谷筋滑降である。当然、本流や側面からの雪崩には十分な警戒が必要だが、安全地帯は少なくどんどん下降し続けるのが無難ですね。

下部からいろんな斜面を観察。条件さえ合えばCルンゼなどもエキサイティングかな〜。山スキーを始めて3回目に来たところが八方尾根から無名沢であった。あの時はもちろん単独で、最後は林道歩行で日没サンセットであった。よくこんなところをひとりで滑り込んだもんだな〜と今更ながらびっくりと反省である。でも単独での積み重ねも今の財産なっているのも確かです。最近は篠さんとのコンビでさらにルートどりや地図読みも進化したのは事実です(人に教えてもらうと楽で上達も早い・・まあ何でもそうですね)。当時に比べると気持にはかなりゆとりがあって体力的にも精神的にも余裕は十分であった。中年なって始めた山スキーだけど、未だに少しは進化をしているんでしょうね・・・・過去にはベテラン山スキーヤーの雪崩死亡事故もあった唐松沢。二人で臨んだ初めての稜線からの唐松沢滑降を今日も無事に終えることができ何とも幸せな気分でした。

八方尾根上部から見下ろし下の樺付近

豪快!五竜岳:後ろにちょこっと鹿島槍ケ岳

尾根上標高2500m付近から唐松岳山頂と右手に不帰の剣。目指すDルンゼは中央のコルからすべり出し。ここから見ると壁のようにもみえるが果たしてどうだか??

もうすぐ山頂ここから右手が唐松沢本谷。上から見るかぎりでは北面のためやや雪は堅く谷幅は狭い。まあ滑れそうではあるが・・・Dルンゼの方が雪面が綺麗で幅も広く何よりも山頂からダイレクトに見丸見えで目立つライン、目立ちたいならこっちかな〜?ミーハーな僕はこっち!

唐松山荘手前より今日のコースメニュー・・・?さあどっちを滑る??

どこから見ても劔はすごい!!

山頂にて、豪快剣が丸見えだ〜!!最高の天気ッす!風は少々・・・テレマークポシションのつもり?担いでいるのはアルペンだけど?!

ルンゼ上より唐松岳山頂

テレマークにはちょっと厳しい角度だったか!篠さんも続く・・・〜恐怖感と恍惚と高揚感の混在。思わず声をもらしちゃうWowooo〜〜

大丈夫でしょ!クラストしてませんよ〜〜

これぞ日本離れした、アルパインスキーの世界・・・かな?

サイドからの雪崩れにも注意しよう

豪快滑走は果てしなく続く

不帰の岩峰群が素晴らしい

唐松沢の全景

南滝の高巻きから唐松岳

南滝は高巻いたが、下から見ると何とか繋がっておりスキーでも可能だ、多分・・来週は厳しいかな

13:40

徒渉点14:05

林道の末端までスキーツーリングは続く

14:52

山行後記:
@ 登りで先頭を行くボーダーさんやつぼ足さん(僕らよりはかなり若い)をガンガン追い抜いて山頂には前泊者を省けばトップで登り上げた。そして危険を顧みず、ルンゼ滑降に陶酔するなど、もうわしらは中年から高年??に差し掛かろうとしているので、もう無理は駄目ね!!頑張りすぎて息が切れてしまいます。過剰な負荷も長い目で見れば心臓にはよくないわけだし・・・・オーバーロード症候群で結局選手生命も短くなった運動選手も多い・・・でも、なんだかんだいっていつも先頭に出ようとアセアセして登っている自分は、“老いを認めたくない”という一般中高年心理の現れだろう。おそらく若い人が本気で登れば少なくとも我々ごときは簡単にぶっちされるはず。世の中上には上が必ずいるもんだ!!きっとしばらくは完全に足腰が老いてダメになるまでは頑張り続けてしまうのだろうか?これを心に余裕のない無謀登山ともいう・・もういい年なんだし無理せずのんびり・・・という生き方も正しいのかも・・・山スキーで頑張っている人たちは往々にして中高年ばかりで若い人はそんなことはあまり自慢にもしないはずだ・・・それよりももっと高難度クライミングとかフリーで力を発揮しているのだろう。
A 最近抜け毛が多い。年齢ももちろんだが紫外線の浴びすぎとか帽子・キャップ・メット、寝不足山行とか頭皮環境には悪いことばっかり・・・少し前まで飲み薬の男性型脱毛症薬剤:プロペシアを飲んでみたが、やや手ごたえが弱く、現在はカロヤンガッシュを朝晩に塗りこんでいる。(自分は額が広くなる男性型ではなく満遍なく抜ける壮年型脱毛なので・・プロペシアは効きが悪い)なんとなく抜け毛が少なくなったと思うのは気のせいか・・・そう思い込みたい願望だけなのか・・・山行後の温泉では頭皮を優しくモミモミしてね!!カロヤンガッシュ定価で1本7000円もします。プロペシアは一カ月分で約8000円もします。高いですね髪の毛を守るって。カロヤンガッシュをネット通販で安くたくさん買い込んだ僕・・・・
砲丸投げの室伏とか筋骨隆々のカッコイイギリシャ神話型の男性ホルモンがバンバン出る人は髪の毛抜けるよ・・!

温泉は・・・・・ゆーふる木崎湖でした・・・

長距離ツーリング派ですが、きっと残雪期はルンゼ滑降でしか満足できなくなるかも知れない篠崎さんのHPへGO

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