いつぞやからか・・・・奥穂高直登ルンゼという言葉を知った。一般ハイカー上がりの私には雪稜や雪壁などやるチャンスもなかった。故にこの言葉を知ったのは某山スキーのガイド本にこの直登ルンゼの光景が目にした時だった。 昨年は白馬二号雪渓・毛勝南峰ルンゼなど急斜面系にも少し目覚めてしまった。実は昨年のGWに一回、5月中旬に2回目の奥穂を目指したのだが、最初はGWの降雪・奥穂登りの大渋滞で撤退。2回目は低温ガスのガリガリアイスバーン・・撤退だった。今年は必ずチャンスを物に・・・を合言葉で篠崎さんと虎視眈々とチャンスを窺う。そしてGW後半5月4日天気図はピッタリ高気圧を示した。ならば、もう行くしかないでしょう・・ 私は前日友人と会う用事が有り、滋賀県と三重県付近をうろうろしており、朝10時に出かけて、途中で名古屋の駅前アルプスで今回のために一応バイルを買ったりして、そのあと友人との用事をこなし自宅に帰ってきたのが夜10時!!用意したら11時、待ち合わせは早朝4時!ギリギリの状態で、あわててド高くなったハイオクガソリンを入れて出発。途中でさすがに高速で眠くなりSAで1時間仮眠し新穂高に向かった・・・・ 滋賀三重愛知岐阜〜新穂高と2日間での車の連続走行500kmでの山行・・・究極の寝不足山行になってしまった・・・・・アホである 篠崎さんは篠崎さんで前日に上高地から岳沢経由で前穂高山頂からの滑走を堪能するという何だか取り憑かれてしまった状態でもう誰にも止められない状況です・・・どこからそんなに元気が出るのか、何が何だかさっぱり??判りません。 今がもっとも脂が乗っている時期といえば聞こえはよろしいでしょうか?ちなみにワンシーズンで穂高連峰3000m級の峰々をすべて登ったのはこの人くらいではないでしょうか・・・きっとこの記録は岳人掲載モノだな・・・・ |
全体図・直登ルンゼ前後の拡大図 |
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朝の白出沢下部。気温がどんどん上昇してくる。雪崩れが怖い。この先温暖化でもっとひどい雪の状態になったり、雪すら着かなくなるの何も知れない・・・ |
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先週登った笠ケ岳・・・雪はどんどん融けている。明らかに岩肌が目立ってきている。こうやって一日一日、あっと言う間に雪は消えるのだな〜 |
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白出のコル着・・・渋滞必至の北アの原宿? コル着10:19 |
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間違い尾根からジャンダルム。いつ見ても絵になるカッコ良さ |
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前穂高・・・昨日篠さんはあそこに!! |
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奥穂山頂から直登ルンゼ斜面を覗く。 とうとう来たぜ直ルンへ・・ルンルン! むかし2000年ごろ、普通にGWに穂高に登っていたときにはこのルンゼを滑るなんて行為すら知らなかったし、山スキーすら自分の中の概念に無かったのだが・・いつからか概念が変わってしまった・・・ |
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ルンゼ観察編2 滑り出しは45度、全体に湾曲して受けておりすぐ手前下に小さなガレがあるが頭からコケなければ激突はないと思う。2号雪渓の方が出だしで下が見えないので恐怖感は高かったが、こういったルンゼは先人達が幾度となく滑っているので、まず、普通に滑れば危険性はないと思う。雪さえ緩んでいればですけどね。もう十分に雪はかなり緩んできている。そんなに恐怖は感じないが、体調不良で足が踏ん張れるかどうか自信がない。登り返しも考えるとさらに憂うつだが・・もう行くッきゃ無いよ!! |
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ルンゼ観察編3。 出だしはギャラリーがいっぱい。雪は多く今日はノートラック。イメージではこのエントリーポイントはもっと低いような気がしていましたが・ |
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ギャラリーにいろいろ聞かれて恥ずかしい。今まで死にそうになったことはないの?とか、いつもこんなとこ滑るの?とか・・・ いえいえたまにですよ・・・毎回こんな事やってたらもう死んでますよ〜 |
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山頂の祠に手をかざしてお祈り・・・穂高よ僕を守ってね・・・ |
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テレマークの篠崎さんは山頂祠右からエントリー |
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中間部安全地帯へ・・・前穂が高く見えるようになった。このあたりは雪がグサグサで、ゆっくり流れる雪崩れ頻発・・・高温過ぎる気象状況・・・温暖化は実感できるな〜 |
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この後は標高2800mまで滑り込みコルまで200mくらいの登り返し。この200mのきつかったこと・・・息切れ・ふらつき・こんな状態で山行をしてはいけません犯罪に近いです。半分肺水腫になっていたんじゃなかろうかと思うほど。あんたは循環器医でしょ・・・止めときなさいそんな無謀なこと・・確かにそうかも・・・かなり反省。 写真向こうは登り帰し地点か見た、北穂高、北穂沢。ここもオープンな広大急斜面。余裕があれば定着で楽しみたい場所である。一人のスキーヤーが滑っていた・・・・ |
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白出沢の斜面もデブリが融けて滑らかなうっとり斜面となった!!これは滑りがいあり!!大声を掛けて一気に頂きましょう!! |
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ここでも多くのギャラリーに見守られこっぱずかしい(^.^;) |
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ジャンダルムよさようなら・・・・下部のデブリに耐えながら頑張って帰りましょ・・・ |
思ったとうりの豪快なシチュエーションの中の直登ルンゼ滑走だったが、ここを日帰りで、”さらっと”やるのは、やはりそれなりの体調管理は必要・・・さらりとこなす人たちはある意味普通じゃない・・・・滑りは少し(かなり)しょぼかったが、ギャラリーの皆さまからは暖かい拍手をくれたのがちょっと嬉しかった。さすがは登山者の原宿:穂高岳でした。 | |
温泉は・・・新穂高ひがくの湯:700円とちと高い。この後渋滞につかまらないように一般国道を走るが眠くて途中で寝てしまった。 帰ったら10時で職場に戻って入院患者さんの診察・・・・厳しい一日だ。明日もこの入院患者さんは目が離せない。状態が悪ければこれにて私のGWはTHE END!! (T_T) 【注】本コースは危険度の高いコースです。十分な情報と判断が要求されますことを付け加えておきます。ここでの情報は筆者の主観によるものでありガイドの役目ではないことをご了承ください。山で生じた不利益はすべて本人の自己責任のもとでの行動に負うことをご理解ください。 |