【日時】2008/08/14-15(日・月)
秋もオジサン達は頑張っています。
大槍捨てて小槍を登攀。夢に見た小槍の上でアルペンダンスをさあ踊りましょ!!

【山名】槍ケ岳3180m、小槍ピーク3030m??
【山域】北アルプス
【コース】新穂高温泉無料駐車場〜MTBライド〜白出沢デポ〜飛騨沢〜槍の肩キャンプ地〜大槍途中から千丈沢側ガリー下降〜小槍取り付き点〜小槍トップ〜肩のキャンプ場泊
【山行実施日】2008年08月14日(日)-15日(月)
【メンバー】篠崎純一氏、操 潤
【天気】ガスから秋の日の晴〜深夜強風
【行動時間】初日16時間、第二日6時間
【累積標高差】約2000m
【水平移動距離】約28km
【私的お勧め度】快楽度★★★:景観★★★、難度:★★★★ 
(※☆〜★〜★★★:三つ星評価;天候・雪質の状態で滑走・登高難度は変わります)
行動概要

高山の岳兄、篠崎氏からメール・・・今週末の連休豪快な山行をやりませんか??4つの案が記されていた。果たしてその内容は・・・・以下メールの内容を一部転記(個人情報保護に反するようでしたらすぐにご連絡ください・・・)

今週末の天気は微妙ですが、念願の小槍挑戦はかなえたいなあと思っております。色々
我侭を言い、ご迷惑おかけしてすみません。

さて、天気予報ですが、どうもこの連休は後半ほど天気が良くなりそうです。小槍挑戦
には月曜日の方が好ましい気はします。
そこで以下の様なプランを考えて見ました。ご検討どうかお願いします。

1.月曜日に日帰りで頑張るプラン
月曜早朝未明に新穂高温泉をスタートして小槍を日帰りする。日曜はまるっと準備静養
に当てる。

2.日曜から1泊で小槍往復するプラン
日曜朝ゆっくりスタートして、その日は肩の小屋もしくは天気次第で槍平でテント泊す
る。月曜日に小槍登攀して帰る。(この場合テントを持っていく必要があります)

3.日曜は岩登り練習、月曜日に日帰りで頑張るプラン
日曜日に好天で元気あれば錫杖岳岩登り、そうでなくば高山のクライミングウォールで
岩登り練習して、月曜日に日帰りで小槍往復する。

4.最後の強烈案・・・初日小槍登攀、翌日:水俣乗越下降北鎌尾根日帰り・・・・・・・大胆すぎる第四案・・・不可能は可能になるのか??非現実的だとは思いますがね〜〜第四案を採択し、夢は大きく、豪快な週末にいざ出発。その前に、高齢入院患者さんを全員完璧に落ち着いた状態にすべく、ベストな点滴治療メニューを組んで、待機の医者にすべてを託し出撃。もし途中で患者さん急変があれば夜中でも下山覚悟で・・・・では行ってきます。

テン泊装備に登攀具・MTBの三重苦のアプローチに中年の体は至る所から悲鳴が聞こえるがなぜか無理に頑張って老いを認めたがらない、我ら懲りない人たちなのです。私テント係・篠崎氏ロープ・食料係・・・私はかなりさぼって軽かったな〜・・食器とかすべて忘れてきたもんな〜〜


山行(参考)タイム 
2008/9/14第一日目
自宅発13日 22:15
新穂高駐車場着14日 02:45
出発 05:45
穂高平避難小屋 06:27
白出沢MTBデポ 07:09
槍平小屋 09:06
千丈乗越分岐 11:08
飛騨乗越 12:41
千丈沢側ガリー 13:41
小槍基部取付点 12:51
篠崎さんピーク 15:15
操ピーク 15:25
下降 16:23
西鎌尾根側展望台 16:50
テン場 17:00
第二日目 9月15日
朝2:30起床
・・・・・風強く寒い・・・
ふて寝・・・
もう一度起床・・・周囲は明るく多くの登山者は行動開始している
モチベーション上がらず北鎌はもうタイムアウト
朝5:50 テント撤収し、下山開始
10:00 新穂高駐車場
11:00 ひらゆ湯の森
11:40 帰路
自宅 13:30

第一日

白出沢出合にMTBデポすることから今回の山行はスタート。既に肩に重いザックが食い込んで疲労気味の私たち・・・先はまだまだ長い・・・

秋色に染まった飛騨沢2400m付近

あと少しで飛騨乗越・・・重荷のせいでペースは上がらず。

まずは槍の肩のテン場に荷物をデポし、登攀具を装着し槍に向かう。穂先へのルートは大渋滞!!

槍の途中からガリーを下降。かなりもろい岩クズで岩雪崩に注意・・・

ハングした壁が威圧的

取り付きには、トラバースの細いバンドを進む。このバンドは岩肌をくり貫いた人義的なもの

このフェースを登りませウ!グレードは3級+くらいかな〜

まずは最初のピッチ・・・あそこから左へトラバース、クラック内へ

こちらは槍本峰の側面

ここからはしっかりガバがある。2ピッチでおもむろに山頂に飛び出る

まずは篠崎さんリードで小槍ピーク登頂。ピークはヒト3人が限度かな・・・

続いて私

槍山頂からは多くのギャラリーの拍手が聞こえてちょっと恥ずかしい

対岸の西鎌尾根がわ展望所からも大きな拍手が・・・・当然この後は”アルペン踊り”を踊るしかありません・・よね・・

北鎌尾根独標も素晴らしい眺め。小槍に登れここから独標を見れたことが大満足。一生の思い出だ!でもまだ懸垂下降して下山するまで気は抜けない。

いつもは慎重な意見が目立ちますが、一度山に入ってしまうとイケイケでつき進む篠崎さんのHPはこちら。我々は一体何者なのだろうと、ちょっと疑問符もついてしまうかも知れない懲りない人たちです・・・・

篠崎さんからのもらい物写真1.

取り付き点でクライミングシューズに履き替えて・・・

篠崎さんからのもらい物写真2

寒いと思って、着膨れ・・・でも全然寒くなかったこの岩壁は。陽がしっかり当たる場所だったのだ

篠崎さんからのもらい物写真3

小槍ピークです

篠崎さんからのもらい物写真4

嬉しさのあまりこの後二人でアルペン踊りを踊るのでした・・・

篠崎さんからのもらい物写真5

慎重に懸垂・・・25mワンピッチでは届かず、途中で切った・・

篠崎さんからのもらい物写真6

篠崎さんからのもらい物写真7

懸垂下降終了

西鎌尾根の展望所から真っ正面にさっきいた小槍・・・さっきまであそこにいたのだと感慨深く眺めたり・・・

周りの人からはさっき登っていた人?と聴かれまた拍手されて、ちょっとこっぱずかしい

でも、もちろんギャラリーさんに小槍と大槍をバックにきっちり写真をとってもらう

懲りずにいろんなポーズをとってみたり

とりあえずこれで今回の第一の目標はきっちり終えることが出来て大満足。何となくこれでも帰ってもいいかな〜〜・・・などと少し”よこしまな気持ち”も湧いてきたのも真実・・・さて翌日、本音で本気の北鎌日帰りはやるのでしょうか・・・槍山荘の気象予報画面(便利なディスプレイがあるのです!)は午前晴れ・午後やや曇りへ・・・の予報・・・日が暮れると同時に、寒くなってきたし、さっさとテント張って目如くって寝ましょうか・・・篠崎さんが用意してくれたアルファ米とカレー:二人前を食べてウップ・・・・・さあ寒い寒い・・・シュラフに潜り込む。流石に疲れてきたよ・・・久々の重荷のロングルートとクライミング・・・Zzzzzzz~~~~~アシタハドウシヨウカ?サムイシカゼハツヨイシ

話の流れでは多分・・・・・・・・・・・・

翌日に続く・・・・・

翌日は北鎌ワンデイトレースを目指すべく起床2時、2;30出発の予定であったが・・・わたしは、なぜかお腹が張って気持ち悪く、完全に戦意喪失。キット高山病なのかな・・・少し寝させて・・と懇願していたら時間はどんどん消費し、もう昨日で十分充実ですよね・・・とよこしまな気持ちがどんどん大きくなってきた。午後からは気圧も下がってくるようだし、北鎌へ突っ込めば20時間の連続行動は覚悟しないといけないし、帰りは暗やみの飛騨沢だろうな〜〜それから帰宅し仕事となると半端ではないな・・・ここはあっさり弱気になって下山でもいいか〜〜珍しく二人で意見が下山へと一気に向かってしまいましたとさ・・・確かにBC起点での北鎌日帰り可能だが、もう一泊が絶対条件かな〜〜無謀登山者は止めときましょう・・・では下山します。それでも、昨日は小槍山頂で大槍・西鎌ギャラリーからの大きな拍手喝采を頂きなぜか大満足の目立ちたがりやの我らなのでした・・・・

白出沢出合にてMTB回収。同じような趣向の人たちが何人か居たりする・・・

快適MTBダウンヒル。白出〜新穂20分の快速。

でもなぜか、カメラを向けられると必ずポーズをとってしまう。しかも決まって親指を立ててしまう、我ら”20世紀少年”世代!?

小槍の上でアルペン踊りを踊るために全力を投入してしまう熱い男達の物語でした・・・・

ついでに・・・・・アルペン踊りって本当にあるのか〜??

侃々諤々のいろんな雑学を少し・・


 “こやりの上ってなあに?”とか、“アルペン踊りって、どんな踊りですか?”とやたら質問が多い歌でもあります。なんとこの歌、アメリカ民謡とされていますが、実際は違います。さらにこのアルプス、スイスやフランスの、そう「アルプスの少女・ハイジ」のアルプスではなく、なんと日本アルプスを歌った歌だったのです。実際、外国曲に京都大学の山岳部の人間が詩を施したとも言われています。 
 その小槍、高さが3030メートル。なんとこの長さは、ズバリ! 一万尺なのです(一尺は30.3cmです)。と、いうことは、この小槍に登りついた登山者が、うれしさのあまりにアルペン踊りを踊ったと言うことになります。
子供のころ・子ヤギの上で・・と聴き違えていた人も多いはず

さらに、本当のこの歌の原点は・・・歌詞がついた経緯は定かではないが、山小屋で登山家たちが歌い継いでいた曲が、戦後歌集などに掲載され定着した。元々はアメリカのヤンキー・ドゥードゥル(YANKEE DOODLE)という曲でアメリカのイギリスからの独立戦争の時のことを歌ったもの。歌詞にはワシントンが出てきたりするもので、登山とは無関係な曲である。

仕事中では絶対にあり得ない表情でアルペン踊りを踊る、動画つき篠崎さんのHPはこちら
【注】本コースは危険度の高いコースです。十分な情報と判断が要求されますことを付け加えておきます。ここでの情報は筆者の主観によるものでありガイドの役目ではないことをご了承ください。山で生じた不利益はすべて本人の自己責任のもとでの行動に負うことをご理解ください。

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