2006/2/11(土)遥なり・・籾糠山。困難の果てに出会う尖塔の頂
2006/2/12(日)三方岩岳・・白山の北の果てに続く山。意外なパウダースポットにHo~Ho~連発
行ってきました貴重な2月の連休山行!今回は名古屋ACCの山行活動の第2回目・雪崩講習を除けば実質初めての山行です。メンバーはリーダーKさん・Iさん、私3名と、峠の仲間所属:山ごろさんの4名。厳冬期単独では困難な岐阜県白川周辺の籾糠山と三方岩岳を目指します。
【メンバー】名古屋ACC:近藤さん、今井さん、私、峠の仲間:山ごろさん
【装備】
(近藤さん)Blackdiamond Crossbow、ディアミールチタナール、ガルモントアドレナリン
(今井さん)Rossi Bandit B1、ディアミールチタナール、ガルモントG-Lite
(山ごろさん)Salomon160cm、テレ板
(操)BD Havoc173cm+TRAB170cm、ディアミールフリーライド、NORDICATR12
第一日
【山域】飛騨高地:籾糠山1744m
【場所】岐阜県白川村 
【日時 2月11日(土)
【コース】白川郷国道360号線除雪終了点から取り付き、籾糠山を目指す。


****遥かなり・・・籾糠山1744m******
岐阜県白川村国道360除雪点取り付き5:30分発
累積標高差1635m
総行動時間;10時間11分
駐車地帰還;午後4時30分
2月10日夜10時岐阜発、集合場所は156号線沿い御母衣ダム湖畔ドライブイン御母衣湖。前日仕事が立て込み、ほとんど寝れずで夜1時50分到着。朝5時出発の予定だが、気が高ぶってか、名古屋ACC初参加のためか、みんなが初対面という緊張もあったか?ほとんど眠れない・・・明日が思いやられる・・・たった30分ほどで目が覚めてしまった。こんな日の翌日の高山病が起こりやすい・・以前にも何回か経験した。
第一日2月11日(土)不安とともに4時過ぎ・・・早速車外にでてメンバーの方に初にお目にかかる。リーダーKさんは元カヌー国体選手で、山スキー同人シーハイルの所属歴もあり精かんなスポーツマンである。とても私と同期とは思えない!そして紅一点:Iさん。元気でかわいい女性。名古屋ACCの山スキーメンバーの中核の方である。そして、メール仲間の山ごろさん、非積雪期はフリークライミングが中心。前日初めて携帯でやり取りし、急きょ同行が決まったのだ。
朝4時30分:車を白川郷360号線の除雪終了点まで移動。5時15分:外気温は−8度。深々と雪が降っておりラッセルが大変そうだ。早速準備に取り掛かり予定よりやや遅れて5時30分過ぎ出発。えん堤横の尾根に取りつく。のっけからの急登で、しかも雪はモナカの上に新雪・・・下りは大変だ。約2時間ウルサイ樹林の急斜面をやりす過ごす。先頭のリーダーが積極的にラッセルし、それぞれのメンバーが小刻みに交代しながら、黙々と上り詰める。ようやくやや広い1250m鞍部付近にでる。ここからおおまかに進むルートを再確認し、出来るだけアップダウンを避けるため南側斜面をトラバース気味に進む。それでも何度かアップダウンを強いられる。地図上1400m途中の三角点はトラバースで通過。ここからが、この山の核心である。複雑な谷で大瀬戸谷に向う小さな沢が行く筋も分岐しコースはかなり複雑。登らなくても良い斜面を登ってやや無駄な苦労も・・それでも近藤氏の的確な読みで確実に山頂までの距離を縮める。この山滑降を楽しむ山ではなく、厳しいラッセル・アップダウンに耐え、読図を楽しむ・・・そんな玄人好みの山である。そして出発から約8時間(13時32分)でようやく山頂到達。この山頂の尖りの先は人が5人も座るといっぱいになるくらいの小さな頂である。苦労してここまで来た喜びを分かち合い、結局一度も太陽は顔を出すことがなかったが、充実感に沸きかえっていた・・・というよりはようやくここまでたどり着いた!という感慨深いものでした。でもまた帰りの上り返しもあるんだよな・・・一人だったら確実に挫折ビバークであったかもしれない。山頂で寒くなりながらしばし休息+エネルギー補給。ちなみに私・・・睡眠不足とエネルギー摂取不足で登り2時間過ぎから交互に足がつり、筋痛と低血糖症状でかなり厳しい山行となった。ほとんどラッセルに貢献できず、滑りも降りるのがやっととなり、いつもの最小限の装備:アミノバイタル3本、カロリーメイト1箱で切り抜ける山行は危険極まりないな〜(かなり反省)やはり体調管理の甘さが露呈してしまった・・・下りは最初の斜面の300m位をパウダー滑降した後はシールをつけての緩急の下り上り返しを繰り返す、当初は単独で・・・と考えていたが、この山とても単独で踏破出来るコースではない!極めて玄人っぽいツアー??コースである。
足がつって途中で座り込んでしまうという失態・・・皆さん足を引っ張ってすみません・・・('_;) そして駐車地点に戻ったのが陽が落ちかけた午後5時過ぎであった。途中の休憩が多かったことと私がややペースを落としてしまったため11時間を超える難航となってしまいました。今回は”厳冬期の籾糠山の山頂を踏んだ”ただそれだけですが、充実感が溢れてきています。行きも帰りもただ忍耐のストイックなコースであるが、ここ一番で仲間がいると踏破する勇気が出てくる・・・パーティーを組めた幸せを実感できた、そんなACC初参加の山スキー行でした。単独で突っ込んでいたら恐らく1/2行程で敗退かビバーク状態で完全に返り討ちにあっていたでしょう。
リーダーKさん、笑顔のIさん、なごみ系の山ごろさん・・・同行できたことを、感謝しております。
カヌーイストのリーダーK氏・・・・カッコよすぎです

近藤さん・・・

今井さん・・・

山ごろ=鈴木さん・・・

この日の籾糠山は・・・滑り中心よりも登りラッセル・シールで下って、また登る・・・忍耐のコースです。滑走重視の方は止めときましょう・・・おそらく腐っちゃいます!!

籾糠山山頂で滑降準備。山頂は畳6帖くらいの狭いピーク。この日の天候は雪〜曇り。見晴らしはいまいちですが音なりの猿ヶ馬場山が眼前でした。

左:近藤さんの華麗な滑り。さすがは山スキー同人シーハイル仕込みです。右:蝶?の様な華麗な舞いの今井さんの滑り。彼女もシーハイル仕込み!

山ごろさんはテレマーク・・・
2006/2/12(日)三方岩岳・・白山の北の果てに続く山。意外なパウダースポットにHo~Ho~連発

第二日目・・・・・・さあ、2月連休ACC山行:連発第二段です。

【山域】白山北方稜線・・・三方岩岳
【場所】岐阜県白川村
【日時 2月12日(日)
【コース】白山スーパー林道料金所手前除雪終了点に駐車。シール歩行開始。途中の堰堤乗り越え(雪で埋まっており楽々徒渉)ほぼ夏道にしたがって登高。

メンバー:リーダーK氏、Iさん、峠の仲間所属:山ごろさん、私の4名
最高到達点:1480m付近(上部大斜面雪崩・巨大雪庇のリスクエリアと判断し終了)
行動時間:6時間

本日は出来たてほやほやのかき氷・・いやパウダースノーをいただきに今日も懲りずにラッセルです。白山スーパー林道上り料金所付近に車を移動し車中泊。昨日の途中エナジー切れ低血糖、筋けいれんの失態は繰り返さない。昨夜は鎮痛剤塗布、ビタミンE内服、ブドウ糖ガンガンに補給し睡眠した。今日はたっぷり睡眠をとり早起きして、たら腹1000カロリーの朝食を摂取し、いざ出発準備。
12日(日)朝4時起床・・・本日は6時の出発予定。車中で湯を沸かし、お気に入り”どん兵衛きつね蕎麦+クリームパン2個+おにぎり1個+アミノサプリ”で完全武装食いすぎだって!!。さ〜テンションを上げていきましょう!
6時出発。もううっすらと明るくヘッデンはいらない。鼻歌交じりでラッセルハイク。辺り一面雪原のノートレース!気分は最高。雪は降り続いているがいやがおうにも気分は高ぶる。ラッセルをみんなで交代で進む。今一つ山頂が見えないので進行方向に迷うが、尾根を快調に登る。ひざ上ラッセルもあるがどんどん蹴り込んで進む。パーティーの強さだな〜〜と感動。
1時間のピッチで小休止をとる。少し休むとヒートアップした体が冷えてまたラッセルしたくなる・・・サディスティックになってきたぞ〜よしよし!
雪は昨日に比べて軽くラッセルも楽しい。やっぱりこうでなくっちゃ!比較的わかりやすい尾根を大きくジグをきってゆく。やがてスーパー林道にであいその道路側壁上3mはあろうかという大きな雪庇が張り出している。自然の造形に驚かされる!左側から側壁を巻き樹林に入る。ここはかなり深く新雪はたっぷりで全く変成を受けていないようなパフパフのパウダー・・・もう目からうろこである。樹林のジグザグ登高を続け尾根にでるわずかに右に雪庇があるため左手樹林から巻く。さらに尾根に忠実に乗りしばらくすると樹林が開け眼前にうっすらと山頂方向が目に入る。1450m付近。しかし、風雪のため視界は悪い。ここからは無木立の雪原〜そして目の前には斜度約35-40度の大斜面オープンバーンだ。おまけに左手はるか前方稜線には5mはあろうかという巨大な雪庇がまさに落ちんばかりに発達している・・・山頂方向に行くにはこの稜線ギリギリに行くかまたは、このオープンバーンを大きくカットするかのどちらかだ。見た目に崩れやすそうな斜度でしかもこの新雪・・・スラフ雪崩が起きるに十分・・・スキーでスロープカットするのは恐怖だな・・・リーダーK氏がピットを堀り弱層の確認をする。1mくらいまで新雪・・弱層は無いがやはりこの新雪、かなり接合が弱くスラフが流れる可能正大と判断・・・体力的には山頂まで十分とどく位置であるがもしこの斜面を登ったとしても下りは相当なリスクを背負うことになる。協議の結果迷わずここで撤退とした。今日の状況で無理に突っ込むのは賢明ではない。標高1484m地点。シールをはがし滑降体制とする。・・・・・
しばらく平坦地を進み、さ〜パウダーのご馳走が広がっている! 各自思い思いの滑りで落ちてゆく〜〜浮遊感覚最高〜〜〜〜ア〜〜〜落ちてゆく〜〜〜
途中の疎林の急斜面ではかなりスラフ雪崩が発生した。もしあの大斜面を滑っていたら危険な状態だったと予想される。勇気を持って諦めて良かった・・
リーダーK氏、Iさん・・・・・さすがはかのシーハイルで鍛えられただけに美しい滑りである、みていてほれぼれする! HO〜HO〜と歓喜の声を上げながら落ちてゆく・・・
早くあんなに上手く滑りたいものだ・・・私は余りディープなパウダーは経験が少ないので、止まろうとするときやスピードが落ちすぎたときにボテっとコケまくり。でもそれなりに楽しめてしまう・・・もう後はどんどん落ちて行くだけでアッという間に駐車地点に・・・一瞬の快楽でした。これだから止められない。みんなパウダージャンキーである!12時過ぎ出発から約6時間で戻ってきた。ピークは踏めなかったが最高のパウダーをいただきもう感無量です。
後は帰宅準備し、みんなで平瀬温泉:白水の湯で大休止。それから、手打ちそば”式部の庵”で美味しい蕎麦をいただき大満足で帰路に・・・しかし途中の高速が大渋滞でしばらく全く動かなかったのにはやや閉口した。結局職場に戻ったのは夜7時であった。
こうして、2日間の名古屋ACCの山行は終わったのです。ア〜こんないいメンバーならもっと早く参加しておくんだったと思えるそんな山行でした。

朝5時起床。6時出発予定・・・雪が降りしきっています。昨日に続いてやりがいのある天候です・・・

スーパー林道に沿ってしばらく平坦な歩行。そして、正面白谷に沿って堰堤を左から右に徒渉します。川はすっかり雪で埋まっており徒渉は楽々です。

昨日に続いてひざ下ラッセルです。しかし雪は軽く負荷は少ないです。朝ご飯をたらふく食べてエナジー満タンで一気に登って行けます!

11510m付近。白山スーパー林道に出会います。ここは道路樹に雪庇ができ大きく張り出し驚かされます。左にまいて樹林帯に入ります。

このあたりはブナ林が多く、この1200m大地付近も立派なブナ林が広がっています。

1450m付近滑降開始点での、今井さん。さ〜〜これから蝶のように舞いますよ〜〜〜。

【2006年山行日記一覧に戻る】

【Mountai Diary TOPに戻る】

【HP TOPに戻る】