山スキーいや・・・今回は敢えて”山岳スキー”と言わせてもらおう。山岳スキーを追い求める一人の人間が去ってしまった。少なからず我々は彼の姿の一部を自分に投影したりして、憧れ、羨望していたのかもしれない。 今回の山行予定を決める際、私は、4月27日に篠崎氏に”五竜岳ワンデイ”はどうですか・・・とメールをした、その翌日の訃報であり、すかさず五竜から自分たちを遠ざけるしかなかった。そして、敢えて昨年成しえなかった笠ケ岳への道を探るべくスタンダードなルートの穴毛谷経由、セミバリエーションの無名沢を詰め上がり、笠山頂を踏みピークからの滑走を行いました。暑いくらいの快晴の中、陰鬱で恐ろしい穴毛谷は我々を暖かく迎え、そして見送ってくれた・・・・ 槍穂に向かう者たちはこの季節後を絶たないであろう。笠ケ岳は県境のピークを除けば、岐阜県内の最高峰である。北アルプスの主稜線からは大きくはずれこのピークを踏もうとするものは、今の季節は極めて少ない。私自身、夏に日帰り一回、山スキーを始めた2年目の残雪期単独でガスにまかれ敗退、昨年篠崎さんとの行動では気象状況により抜戸岳で撤退という歴史が有る。 今回は素晴らしい高気圧の快晴に恵まれることは約束されており、笠山頂だけを目標にあの陰鬱な穴毛谷を、早い時間に駆け抜け山頂をふむことにこだわった・・・・そして、我々しか見れない笠ケ岳山頂からの槍穂、北アの峰を眺めよう、そして山頂からのピークスキーを実践しよう・・・・ 今回は穴毛谷に入谷すると、すぐに後続組に追いつかれたが・・・一目見て、今シーズンワサビ谷で出あった関東軍のだるふぉさんと、一昨年白出沢で深夜に遭遇した、関西軍よっちゃんとかれらのお仲間のテレマーカーさんと5名の山岳スキー狂のメンバーが集結・・そして何と驚くことに、この後、スーパー山スキーヤーが五ノ沢から這い上がってきて、驚きの対面を果たすこととなる。 要は、この時期・こんな場所で出くわす物好き人間達は、自殺志願者か山岳スキーヤー位しかいないのかも知れない・・・・・・・ そう、ここは山岳スキーヤーの秘密基地:穴毛谷だったのだ!! |
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今回は写真もデジカメ設定が不適切で、露出が悪く多々割愛させていた抱きました。見ぐるしい写真ばかりとなってしまいました。またGPSのログ記録も何だか保存が出来ず情報不足の結果となってしまいました。 |
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写真は一気にトンで新穂高温泉から約2時間、標高差約800mの行程の穴毛大滝。本日は時期が早いだけに雪付きが良く、徒渉はなく快適な歩行が実施できた。ただしその代償として雪崩れリスクはかなり高くなります。この谷は雪崩れリスク管理を徹底して入谷してください。 6:52穴毛大滝 ここまで関西組のよっちゃんがトップを切ってぐんぐん登っていった・・・若いって羨ましい。 |
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穴毛大滝で我々懲りないおじん軍団が先行し、ザイテンタールから大滝上部へトラバース。少し遅れてよっちゃん登場(やたら元気であった) |
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当初は六ノ沢と思って詰め上がっていたが、後から確認すると六ノ沢と杓子平へのノーマルルートの中間の無名沢(七ノ沢)のようだ。 |
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暑い一日になってきた・・・雪が腐る前に出来るだけ早く稜線に上がりたい。こんなところで雪崩れは御免だ。焦る気持ちとの葛藤が続く |
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そして稜線へ・・・・この稜線は巨大雪庇が発達しやすく、一番安全なのは杓子平から抜戸岳西の唯一雪庇の切れた場所であるが、我々のルートもなんとか一箇所、雪庇の切れ目がありなんとか登り上げることが出来たのだ。ルートに気をつけないと、雪庇でルートを遮られる可能性が有りますのでルート取りは注意が必要・・・私・・稜線這い上がる際に壁で進退窮まりかけて苦労・・・何とか這い上がりましたけど。 |
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陽が燦々と照りつける快晴の一日。天気は良いが下山時の雪崩れの心配も・・・ |
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そして笠ケ岳山頂がじわじわと近づいてきた。こんな条件の日を逃さない手はないだろう。山頂目指し黙々とピークを目指す・・・・夏は抜戸岳から1時間で歩けるが、この季節見た目以上に距離があった。 |
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そして槍穂に見守られながら・・・ |
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まだまだ滑れる沢がてんこ盛り |
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山頂に到着。時刻10:30。出発から5時間30分でありました。 |
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山頂からは豪快ピークスキーを実践しよう。素晴らしい雪質で感激の滑走。稜線両サイドへの滑落はくれぐれも気をつけよう。アイスでないので、今日はよほど危険性は少なかった。 |
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我々が山頂いるときにあらぬところに人影が・・・!!播隆平から黙々と人が。両手を左右に開けて、すり足だから、スキー登高だ・・・誰だ。ただ者ではないな!!しかもこんなバリエーションルートから単独で、すごい登高スピードで上がってくるではないか!!(答えは下山時に最終堰堤で出た!) |
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杓子平下部を豪快滑走 |
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トラバースをこなして・・・ |
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穴毛大滝に戻ってきた。ここからは朝にはなかったデブリが谷に落ちてきており、さすがは雪崩れの巣窟と呼ばれるだけの威圧感がひしひしと伝わってきた。 最終堰堤を越えてスキーを脱いでザックにくくりつけていると、すごい勢いでデブリ帯を滑ってくるものがいる・・見覚えのあるウェア・・・☆さんだ!!彼に確認するとやはり五の沢からすごい傾斜をジグで上がってきたのは彼だった。・・・古川のスーパー山スキーヤー☆さんであった・・・・当初我々がうわさしていたことがピッタリ当たってしまったのがなんとも驚きであった・・・ 4月29日:山岳スキー狂人達はここ穴毛谷に集結したのだった・・・・・・・・ |
最後に・・・・ 志し半ばにして逝去された、山岳スキーヤー”新井氏”へ・・・ご冥福をお祈りいたします。我々は永遠にあなたのことを心の中に刻み込むでしょう。そして、どうか我々山岳スキーヤーを天からお守りください。・・・・・・・合掌・・・・・・ |
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【山行後記番外編】山スキー情報発信基地直撃レポート!!・・・・・・・・・・ |
100%安全なお産はありません・・・でも山はもっと危険です・・・我々はまた今日も危険地帯へ足を踏み入れていました・・・・・ |
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山スキー情報発信基地・・・診察室隣りの秘密のアジト? |
【注】本コースは危険度の高いコースです。十分な情報と判断が要求されますことを付け加えておきます。ここでの情報は筆者の主観によるものでありガイドの役目ではないことをご了承ください。山で生じた不利益はすべて本人の自己責任のもとでの行動に負うことをご理解ください。 |
久美愛厚生病院・・・JA系の病院です。いつも乗鞍が見渡せる、山スキー好適地岐阜県高山市。 山スキー大好き医師ならここで就職するとよいかも・・・出来れば私も転職希望したいです!! |